2016 Fiscal Year Research-status Report
歯石残存デンプン粒分析法による南九州南西諸島地域の植物食の実態と変遷の解明
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15K16879
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Research Institution | Kagoshima Women's Junior College |
Principal Investigator |
下野 真理子 鹿児島女子短期大学, その他部局等, 助手 (10533474)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | デンプン粒 / 南西諸島 / 芋類 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度は南九州及び南西諸島、インドネシア出土人骨の歯石を採取し、歯石に残存するデンプン粒を検出した。また、デンプンの形態等に関する基礎データを整備するため、琉球列島、グアム産及びインドネシア産植物資料からデンプンを抽出し、それらの形態観察、計測を行った。 インドネシア出土人骨の歯石からもデンプン粒は検出され、その検出率は62.5%と高かった。検出された多くのデンプン粒は多角形で、グアム産のタロイモ、赤タロイモ、日本産ヒエ、キビ、アワと形や大きさに関して相似していた。 穀類やタロイモ(タイモ)デンプン粒の形や大きさについて区別がつけられないため、南西諸島及びグアム産のタロイモ(タイモ)についてデンプン粒の詳細な観察、計測を行った。グアム産のタロイモのデンプン粒は大きく、日本のタイモのデンプン粒はグアム産のデンプン粒より小さかった。しかし、南西諸島の中でもタイモのデンプン粒の大きさが異なっていた。タロイモなどの植物種は遺物として残存しないため、原生植物標本として植物個体を選定する基準やタロイモのデンプン粒を穀類などから区別する方法を探索する必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
植物資料の選定、分類方法について作業が進んでいないため、歯石から検出したデンプン粒について同定作業が進んでいない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度、平成28年度に到達できなかった計画とともに平成29年度実施予定の作業やまとめを研究協力者と精力的に進めていく。
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Causes of Carryover |
研究が実施計画どおりに進まなかったため
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
デンプンの原生植物標本の植物種選定、収集作業に使用する。
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Research Products
(2 results)