2017 Fiscal Year Research-status Report
歯石残存デンプン粒分析法による南九州南西諸島地域の植物食の実態と変遷の解明
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15K16879
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Research Institution | Kagoshima Women's Junior College |
Principal Investigator |
下野 真理子 鹿児島女子短期大学, その他部局等, 助手 (10533474)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | デンプン粒 |
Outline of Annual Research Achievements |
鹿児島県本土と宮崎県下で主に現生植物を採取し、デンプン粒の形態、粒径の記録を行った。現生植物のデンプン粒の形態分類において、分類円が重複している堅果類とワラビの分類図の再検討及び穀類の分類円の再検討を行った。堅果類は詳細な観察により、新たに分類図を作成した。本研究では歯石から検出したデンプン粒の形態や粒径を分類図に当てはめ、植物種の特定を目指すため、分類円の重複が解消されたことにより、デンプン粒分析の有用性は高くなったと考えられる。 調理や口腔内での咀嚼や消化酵素の影響によるデンプン粒の形態の変化を観察、記録し、歯石デンプン粒分析の有用性について検討した。研究開始当初から歯石に残存するデンプン粒は口腔内で多くの影響を受け、その形態が変化することが予想された。今回は主に米、イモ類を用いて、加熱による変化の観察と記録、唾液アミラーゼによるデンプン粒の形態変化の記録を行った。デンプン粒は煮沸による加熱により、結晶構造が崩壊し、偏光観察で認められる偏光十字が消失した。消失した偏光十字の復元は認められなかった。しかし米やイモが塊の状態にあるとき、特に、塊内部のデンプン粒への加熱や酵素の影響は不均一であり、デンプン粒の結晶構造が保たれているものがあり、偏光観察で確認した。今後はデンプン粒の水分量と加熱との関連も検討する。 これまで我々が歯石から検出したデンプン粒の形態や粒径について、地域性や傾向の有無を探るために集計作業を行なった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究へのエフォートが低下したとともに、前年度の遅延もあり、研究が遅れている。また、観察や記録の作業が増え、さらにその作業が捗らなかったため
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Strategy for Future Research Activity |
研究協力者に協力を仰ぎ、効率よく研究を進めていく。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由は研究のエフォートが低下したことである。 主な使用計画として、資料収集のための旅費と研究補助の人件費に使用する予定である。
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