2015 Fiscal Year Research-status Report
繊維関連産業集積地における構造変化と地域コミュニティに関する地理学的研究
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15K16892
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| Research Institution | Kyushu Sangyo University |
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Principal Investigator |
塚本 僚平 九州産業大学, 商学部, 講師 (50735222)
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| Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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| Keywords | 地場産業 / 繊維関連産業 / 構造変化 / コミュニティ / 岡山 / 児島 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
岡山県倉敷市児島地区を中心に企業が集積する繊維関連産業の構造や，当該産業と地域社会との連関を明らかにするにあたり，平成27年度においては，当該産業の生産・流通構造の実態解明を中心に行うこととした。そのための基礎的な資料として，岡山県等が刊行している報告書が有益であるため，そうした資料を収集するために岡山県立図書館や岡山大学附属図書館へと赴いた。それらの資料を分析した結果，過去における当該集積地域の構造変化の過程を把握することができた。具体的には，学生服を主体とした地域内での生産が盛んであった時期から，大手繊維メーカーによる学生服メーカーの系列化と生産機能の県外移転，ジーンズ生産の増加といった変化が生じた時期を経て，近年におけるジーンズ生産の拡大や海外生産の増加，企業戦略の多様化といった状況へと至った経緯が明らかになった。
その後は，より具体的な変化や実態を把握するため，岡山県アパレル工業組合や個別企業（学生服・ワーキングユニフォーム・ジーンズそれぞれを主力製品とする企業群）への聞き取り調査を継続して行っている。現段階では，そうした調査の結果から業界全体の近年における動向が明らかになってきている。特に，学生服やワーキングユニフォームの生産における海外生産の増加や流通経路の複雑化・多様化に関する実態と，ジーンズ生産における企業ごとの差別化戦略の多様性が判明している。こうした研究結果については，地域地理科学会・中四国都市学会2016年大会において報告予定である。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
年度当初に全く想定していなかった学内業務を担当せざるを得なくなったことが，研究の進捗に大きく影響した。これにより，平成27年度の夏季から秋季にかけて予定していた学生服メーカー・ワーキングユニフォームメーカー等への聞き取り調査を延期せざるを得なくなった。これらの企業は季節による繁閑の差が大きく，繁忙期である冬季から春季にかけては調査の実施が非常に難しい。
上記のような理由から，当初28年度に予定していたジーンズメーカー等への調査を先行して行うことにした。ただし，そのための予備調査や準備をしたうえでの本調査の実施となったため，これらの企業への調査は冬季以降に実施することとなった。
以上のように，現時点では当初計画からの遅れが発生している。ただし，調査の予定を入れ替えたことにより，その遅れを最小限度に止めることができたと考えている。
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| Strategy for Future Research Activity |
今後は，現在の進捗状況を踏まえたうえで，調査の実施時期を変更しつつ，地理学系の主要学会において研究成果を公表していく予定である。
具体的には，現在先行して実施しているジーンズメーカー等への調査が終了次第，学生服メーカー・ワーキングユニフォームメーカーへの調査と家庭内職者への調査を連続して実施する予定である。このように，連続的に調査を実施する理由は，上述したように，学生服メーカー・ワーキングユニフォームメーカーが冬季から繁忙期に入るためであり，同産業に関わる家庭内職者もまた，同時期に繁忙期を迎えるためである。そして，これらの調査の実施と並行して調査内容の整理と，研究成果の公表（口頭発表ならびに研究論文の公表）を行う予定である。
なお，平成27年度に研究の遅延を招く要因となった学内業務を，平成28年度には担当しないことが既に決定しているため，ここに記した研究計画に沿った進行が可能である。
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| Causes of Carryover |
研究の進行が遅れたことに伴う調査旅費の未執行分の発生。
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| Expenditure Plan for Carryover Budget |
遅れている分の聞き取り調査の実施。
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