2016 Fiscal Year Research-status Report
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15K16908
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| Research Institution | Hokkaido University |
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Principal Investigator |
郭 舜 北海道大学, 法学研究科, 准教授 (30431802)
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| Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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| Keywords | 国際法の正統性 / 法価値論 / 法概念論 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
2年目の目標は、初年度に着手した国際法の正統性のグローバルな観点からの理論化の作業を継続して進め、さらにそれを学会・研究会の場で発信することによりフィードバックを得て、理論の完成度を高めることであった。以下の活動を通じて、国際法の正統性について論ずる必要性をグローバルな文脈の中で規範理論的に根拠づけるとともに、法概念論的な立場との結びつけを図り、その上で既存の議論に見られる国際法の正統性の基準を比較検討しつつ、法の支配の観点からの基準提示を行った。
(1)研究報告：ドイツ・ヴュルツブルク大学において「The Legitimacy of International Law」と題した招待講演を行った。これは、国際法の正統性を論じる必要性および現在の国際法の正統性基盤を素描する内容であった。また、国際公法学会（ICON-S、於ベルリン・フンボルト大学）において「The Constitutional Democratic Obligation to Outsiders」と題した報告を行った。これは立憲民主主義の原理が政治体制外の人々に対する一定の対外的義務を伴うこと、それが国際法を尊重する理由を構成することを示すものであった。このほか、国内でも研究会報告を行い、有益な意見を得ることができた。
(2)意見交換：海外の研究者と国際法の法的性質や人権の本性についての意見交換を行った。
(3) 資料収集：初年度に引き続き重要な関連文献の収集に努め、比較検討を行った。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
国際法を中心としたグローバルな規律の現状を明らかにするとともに国際法の法概念論的な検討を行い、国際法の正統性を論ずることの実践的・理論的意義、およびそれが実際に何によって支えられているか、国内外の主な議論を参照しつつ法の支配概念による基礎づけを図った。現時点での研究成果について、研究実績の概要で示したように、国内外でいくつか発表の機会を得ることができ、まとめて公表することができた。同時に、聴衆の反応によって本研究の重要性が再確認され、討論を通じて研究の方向性が明確化された上、有益な示唆が得られた。また、国内外の研究者との意見交換を通じて、今後の研究計画遂行のために解決すべき課題が明らかとなった。これと並行して資料収集や文献の比較検討は滞りなく進んでおり、得られた示唆をもとに研究成果のさらなる充実を図って論文を執筆中である。これらに照らして当初計画した本年度の目的は達成したものと考える。
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| Strategy for Future Research Activity |
次年度は本研究の最終年度にあたり、研究成果の取りまとめを行う。すでに研究会および学会において口頭報告を行なった内容を、そこでの討論、研究者との意見交換、収集した文献・資料の読み込みなどによって充実させ、単著論文として公表する予定である。本年度に引き続き研究発表および研究者との意見交換の機会を得るよう努め、また文献・資料を通じた議論の最新動向の把握に努める。中心的に検討すべき課題としては、グローバルな法の支配をいかにして観念し、その内容をいかにして構成するかという問題があるが、関連する先行研究を参照しつつ作業を進める。
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