2018 Fiscal Year Annual Research Report
The Idea of Kamakura: Intellectual History of Early Medieval Japan
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15K16912
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| Research Institution | Chiba University |
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Principal Investigator |
山口 道弘 千葉大学, 大学院社会科学研究院, 准教授 (60638039)
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| Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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| Keywords | 吾妻鏡 / 愚管抄 / 中田薫 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
研究機関最終年度に当たる本年は、以下の3つの研究を行った。
第1に、昨年に引き続き、吾妻鏡と平家物語諸本との比較検討から、吾妻鏡の記述のバイアスを測定する作業を行った。
すなわち、A 小笠原氏などの武田一族と諏訪社に関する、治承寿永年間の記事のバイアス測定を行った。平家からの離反の際に、源氏の一門であることを強調する記述を有する箇条を中心に、平家物語諸本や説話集の平行記事との比較対象を行った。B 頼朝挙兵時に敵対した伊東一族の末路に関して、吾妻鏡および平家物語諸本に見える顕著な相違を、父子関係・主従関係理解の相違に起因するものと捉えて整理し直す試みを行った。
第2に、吾妻鏡を取り巻く言説世界を拠り広く俯瞰し、南北朝以降の武家に関する言説研究に繋げるため、鎌倉中後期の京都に於ける歴史叙述相互間に於ける伝承の相違について検討した。その端緒として、平家物語に先行する愚管抄が吾妻鏡に（そしてもちろん平家物語に）与えた影響を計るため、その写本に関する基礎的研究を行った。その一端を、坂口太郎氏の近業を紹介するかたちで、国家学会雑誌第132巻第1・2号に学界展望として掲載した。
第3に、昨年度～本年度の研究の副産物として、法制史学者・中田薫の学問の全体像を、彼の土地法・親族法についての見解を主軸として概観する論文を執筆し、山口道弘「私有と自主立法権（Autonomie）――法制史家中田薫の学問形成」佐藤健太郎・荻山正浩・山口道弘編・公正から問う近代日本史（吉田書店）として公刊した。
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Research Products
(2 results)
