2018 Fiscal Year Annual Research Report
Research on clause of inalienability
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15K16950
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
石綿 はる美 東北大学, 法学研究科, 准教授 (10547821)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 民法 / 相続法 / フランス法 / 譲渡禁止 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、財の譲渡人が、譲受人に対して、財産の処分権の行使を制限するような義務を課すことができるのか、仮にそのような義務を課すことができるとしても、何らかの限界が存在するのではないかという問題について検討することであった。 平成30年度については、フランス法について上記の問題について検討を行った。それと同時に、平成30年7月に成立した日本の相続法改正に関して、配偶者短期居住権、配偶者居住権についての研究も行った。配偶者居住権は、配偶者の居住環境を保護するために新設された制度であり、その権利の内容は、居住建物の利用を終身で認めるものである。配偶者の居住環境の保護のために認められたという制度趣旨から譲渡が禁止されている。このような譲渡を禁止された財産を遺贈、遺産分割により取得することができるという制度であり、本研究の研究課題との関連性が高い問題である。そのため、配偶者居住権に関する相続法改正について、海外での報告も含めて、複数の研究会において報告を行った。 研究期間全体については、概ね当初の研究実施計画の通りの研究を行うことができた。譲受人に対して、財産の処分権を制限するような義務、例えば譲渡禁止義務を課すことができるとしても、そこには期間の限界や、目的の限定があるのではないかということが明らかにできたと考えている。なお、当初の研究計画においては検討予定であったドイツ法の研究については必ずしも十分に研究を行うことができなかった。この点についての検討を追加で行ったうえで、今後何らかの形で、研究成果の公表を行うことを検討している。
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Research Products
(3 results)