2017 Fiscal Year Annual Research Report
Comparative Study on Standard for Responsibility on the Discretion of Target Board in Negotiations on Friendly Merger
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15K16957
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
古川 朋雄 大阪府立大学, 経済学研究科, 准教授 (30571898)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 会社法 / M&A / 取締役の責任 / アメリカ法 / 友好的買収 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、友好的企業買収に関する交渉過程や締結した契約の内容等について、買収対象会社の取締役がどのような基準のもとに行動すべきかを、米国の裁判例の状況を踏まえて考察するものである。 平成29年度は、まず例年通り神戸大学商事法研究会において、アメリカの判例報告を行った(In re Saba Software, Inc. Stockholder Litigation, No. CV 10697-VCS (Del. Ch.2017))。この裁判例は、友好的買収における対象会社取締役に対する損害賠償請求訴訟において、どのような審査枠組みが発展しつつあるかを示すものであり、報告準備を通じて最新の議論状況に関する情報収集を行い、研究会では多くの有益な示唆を得た。また、平成28年度に報告した判例研究(合併に関する取締役の責任追及訴訟における審査基準の決定[Corwin v. KKR Financial Holdings LLC, 125 A.3d 304 (Del. 2015)])を旬刊商事法務2159号で公表した。 そして、平成28年度から平成29年度にかけては、日本法との比較検討を行う必要もあったことから、関西学院大学商法研究会で判例報告を行い、その評釈を同大学の紀要である「法と政治」68巻3号に寄稿した(勧告的決議に対する無効確認の訴え)。 さらに、研究の最終年度として、成果物である論文の執筆に多くの時間を費やした。当該論文については、関西企業法研究会平成29年度例会において研究報告を行い、大変有益な示唆を得た。なお成果物となる論文(買収対象会社取締役に対する責任追及訴訟におけるデラウェア州の判断枠組み : Corwin事件最高裁判決を中心に)は、平成30年3月に発行された大阪府立大学経済研究63巻1=2=3=4号で連載を開始している。
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