2015 Fiscal Year Research-status Report
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15K16993
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
望月 詩史 同志社大学, 法学部, 助教 (80648048)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | Oriental Economist / 石橋湛山 / 東洋経済新報社 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度の「戦時期日本の英文雑誌に関する基礎的研究」に関する研究成果として、1934年に東洋経済新報社から発刊された英文雑誌The Oriental Economistの目録作成に係わる基礎的作業を行った。目録の項目は、「発行年月、種別、記事タイトル、執筆者(判明分のみ)、ページ数」である。完成後のインターネット上での公開を想定して、エクセルファイルで作成した。 基礎的作業として、主に国立国会図書館関西館で作業を行った。同館は、1935年以降に刊行された同雑誌を全号所蔵していることから、データベース作成に必要な項目とページを確認しながら、研究協力者の協力を得つつ、パソコンを用いて作成作業を行った。ただし、1934年刊行分は、同館に所蔵されていないため、他大学に目次ページを複写依頼した上で、作成作業を行った。 The Oriental Economistに関する研究は、未だ本格的に開始されていない。今後、同雑誌の研究が着手される上で、本目録が果たす役割として期待されるのは、雑誌の内容や構成、寄稿者等の基本情報を把握する上で利便性が向上することである。原資料の所蔵が極めて限られている状況を考えると、本目録によって、ある程度の目安を付けながら、同雑誌の研究に着手できることは、全ての研究者にとって、非常に有益であると考えられる。 なお、本目録の作成過程で、『東洋経済新報』に掲載されていない文章、つまり、The Oriental Economistのみに掲載された文章が複数あることが既に判明している。その内容分析を今後進めていきたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
「研究計画」では、平成27年度の作業計画として、「The Oriental Economistの目録を作成する」ことを挙げた。その計画と照らし合わせて現在までの進捗状況を判断するに、予定通りに研究が順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度は、The Oriental Economistの内容分析を行う。 これまで石橋湛山の思想の再検討を研究課題として取り組んできた経緯から、まず優先的に、石橋執筆の論説を分析する。石橋が執筆したものは、『石橋湛山全集』第15巻所収の「論文目録」に明記されているため、それを活用する。そして『新報』と同じテーマの論説であっても、ニュアンスの微妙な違いが含まれている可能性があるため、細かな表現にも留意しつつ分析する。続いて、『東洋経済新報』本誌に掲載されていない論説(寄稿も含む)の内容分析も行う。
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Causes of Carryover |
まず、「物品費」として計上していた書籍(資料)が、当初に予定していたよりも、安い価格で購入できた。次に、「旅費」として、年2回の資料調査を予定していたが、資料所蔵の関係上、1回の調査で必要な資料や情報が得られた。最後に、「その他」として、雑誌のコピー代を計上していたが、パソコンを持ち込み、その場で打ち込み作業をする方が効率が良いと判断したため、コピー代が不要となった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
「物品費」として、当初は予定されていなかった新たに刊行された書籍(資料集)を購入する予定である。「その他」として、内容分析に用いる記事のコピー代として使用する。
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