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2016 Fiscal Year Research-status Report

停戦の合意と維持における資源管理の有効性:理論と仮説検証

Research Project

Project/Area Number 15K16998
Research InstitutionHokkaido University

Principal Investigator

小浜 祥子  北海道大学, 大学院公共政策学連携研究部, 准教授 (90595670)

Project Period (FY) 2015-04-01 – 2018-03-31
Keywords戦後復興 / 紛争管理 / 対外援助 / 停戦
Outline of Annual Research Achievements

平成28年度は、まず前年度に構築した理論研究を修正し「Exploitation of Resources and Filed Ceasefire: A Rationalist Explanation of Conflict Resumption」を執筆した。これを国内で研究報告および英文学術誌に投稿し、得られたフィードバックを生かしてさらなる修正を行った。
当初の計画において本年度は統計分析と事例研究を用いた実証研究を行う予定であったため、前年度に構築した理論から導かれる仮説について、データ分析を用いた検証を実施した。特に、紛争における資源の獲得が停戦の持続性に強く影響するという仮説を検証するため、第二次世界大戦後の国家間の停戦に関するデータと領土変更に関するデータを組合せて分析を行った。次に、獲得資源の管理における第三国の役割を特定するため、対外援助のデータを用い、第三国が対外援助を通じて停戦の持続性に影響を与えうることを示した。この研究成果を「External Shocks, Territorial Change, and Lasting Ceasefire: An Empirical Study of Conflict Management through Foreign Aid」としてまとめ、国際学会にて報告した。さらに事例研究として中越紛争について継続的に調査を行い、成果を「Conditional “Resource Course” in Failed Ceasefire: Evidence from Sino-Vietnamese Conflict」としてまとめている。
なお、前年度までに進めていた大槻一統氏(早稲田大学)との兵器使用に関する共同研究は、本年度より基盤(C)の研究課題として採択されたため、本研究課題からは切り離した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

本年度はまず、理論部分の公刊にむけての修正作業を行った。これは、当初の計画では、本課題最終年度に行う予定としていたものを前倒しして行ったもので、理論部分が順調に完成をみたこと、また理論部分の公刊により実証部分の公刊にも役立つと考えたために行った変更である。
また、当初の計画通り、理論から導かれる仮説と観察される一般的な傾向との整合性を統計分析によって検証し、論文としてまとめることができた。第三国の介入については当初の計画とは異なり、対外援助に焦点を当てたが、これにより対外援助研究への含意を強めることができたと考える。ただし、第三国によるより直接的な資源管理については、変数化の難しさから充分に検討できていないため、次年度への継続的な課題とする。
さらに、アラブ・イスラエル紛争に関する資料調査・事例研究は充分に実施することができなかった。これは本来、最終年度に予定していた論文の執筆・投稿作業を本年度中に前倒ししたこと、また上記の統計分析における第三国の役割の分析に予定以上の時間を費やしたためである。さらに、事例として、前年度に引き続き中越紛争についても調査を並行して行っているために、当初の計画にあるアラブ・イスラエル紛争については充分な検討ができなかった。これは次年度の課題としたい。

Strategy for Future Research Activity

当初の計画によれば、最終年度の平成29年度は、前年度までの成果をふまえ、理論・実証研究を早い段階でまとめ、数本の論文を集中して仕上げ、投稿作業を行う予定であった。平成28年度までの段階で順調に研究が進行した部分については、論文の執筆・投稿作業を前倒しで実施したことから、平成29年度は当初の計画に若干の修正を加えつつ研究を推進する。
まずは当初の計画に基づき、すでに分析結果の得られた部分の投稿作業に集中して取り組む。特に、(1)資源管理と紛争の再発に関する理論研究、(2)資源獲得と停戦の持続性に関する実証研究、(3)対外援助と停戦の持続性に関する実証研究、および(4)中越戦争に関する事例研究の3~4本の論文の公刊を目指す。特に(1)、(2)についてはすでに投稿が可能な段階であるので直ちに投稿を行う。また(3)については国際学会で得られたフィードバックを生かし、(2)と組み合わせるか、独立の論文として公刊すべく取り組む。(4)についても早急に調査結果をまとめ、夏までには投稿を行いたい。
また、平成28年度からの継続的な課題として、第三国による直接的な資源管理の効果に関する分析、ならびにアラブ・イスラエル紛争の分析がある。前者についてはRAを使うなどしてそれぞれの事例についての資源管理の在り方を特定する方策を検討したい。また、後者についても適宜調査を行い、論文の執筆に活かしたい。

Causes of Carryover

本年度は、当初の計画では平成29年度に実施する予定であった論文の執筆および投稿作業を前倒しして実施した。それに伴い、計画では本年度中に行う予定であったアラブ・イスラエル紛争についての文献収集や資料収集を次年度に延長することとした。また、統計分析はおおむね当初の計画に沿って実施したが、第三国による介入については対外援助に関する既存のデータセットを用いて変数化を行ったため、データセット構築にかかるRAの雇用費用をそれほど多く使用しなかった。

Expenditure Plan for Carryover Budget

平成28年度の残額は、平成29年度へと課題を持ち越したアラブ・イスラエル紛争の文献・資料の購入、および第三国による直接的な資源管理を変数化するためのRAの謝金として利用する予定である。

  • Research Products

    (2 results)

All 2017

All Presentation (2 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results)

  • [Presentation] External Shocks, Territorial Change, and Lasting Ceasefire: An Empirical Study of Conflict Management through Foreign Aid2017

    • Author(s)
      Shoko Kohama
    • Organizer
      75th Annual MPSA(Midwest Political Science Association) Conference
    • Place of Presentation
      Palmer House Hilton (Chicago, U.S.A.)
    • Year and Date
      2017-04-07
    • Int'l Joint Research
  • [Presentation] 紛争後の平和と資源管理問題2017

    • Author(s)
      小浜祥子
    • Organizer
      第二回早稲田ORIS若手国際シンポジウム「政治的対話と紛争の新しいパースペクティブ」
    • Place of Presentation
      早稲田大学早稲田キャンパス120-4号館(東京都新宿区)
    • Year and Date
      2017-01-21

URL: 

Published: 2018-01-16  

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