2015 Fiscal Year Research-status Report
東アジア通貨危機後の地域経済統合:国内改革と地域協力
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15K17008
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
舒 旻 早稲田大学, 国際教養学術院, 准教授 (20534986)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 地域主義 / 北東アジア / 東南アジア / 東アジア金融危機 / 開発主義国家 / 国際政治経済論 |
Outline of Annual Research Achievements |
東アジアにおける地域経済統合は、1997~98年に起きた東アジア金融危機の後、貿易自由化や金融・通貨の協力、地域協力機構の設立などの面において大きな進展を遂げた。一方、東アジア諸国は、金融危機の影響で様々な政治・経済改革に取り組み、それに伴って開発主義国家を特徴とした国内政治経済体制が大きく変わってきた。本研究は、東アジア六ヶ国の国内改革と地域協力の相互関係に焦点を絞り、国際政治経済論の視点から、金融危機後の東アジア地域協力の国内基盤を解明することを通じて、理論面と実証面から東アジア地域統合論の構築に貢献することを目的としている。 初年度の研究は、先行文献の把握、理論的なフレームワークの構築とフィールドワークの準備と遂行に集中した。具体的には、(1)台湾国立大学や中国の上海図書館、韓国ソウル大学などの研究機構において先行研究と関連資料を収集し、東アジア金融危機後の北東アジア諸国の国内政治経済改革と地域協力政策の全体像を考察した。(2)理論の面においては、東アジア政治経済の特徴としての開発主義国家モデルに焦点を絞り、経済自由化改革の進展と政府・ビジネス関係の変化を検討し、金融危機後の地域経済協力の国内基盤について、初歩的な分析を行った。その上で、理論的なフレームワークの構築を試みた。(3)事例研究に関しては、北東アジアの三ヶ国(日本、韓国と中国)におけるフィールドワークの準備を行い、その一部を年度内に実施した。 本年度の成果としては、2016年3月にアトランタに開催された国際研究学会(International Studies Association)の年会で一部の研究成果を発表したと同時に、多くの研究者との交流ができた。また、本研究をベースとするプロジェクトがハーバード大学に選ばれ、来年度はハーバード・エンチン研究員として研究をさらに進める予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度に、(1)日本のほか、北東アジアの三ヶ国・地域で、東アジアにおける地域協力に関する先行文献を把握し、(2)東アジア型の開発主義国家モデルを基礎とする理論的なフレームワークの構築を試み、(3)日本、中国と韓国でのフィールドワークの準備と遂行を行い、(4)国際学会で研究成果を報告し、国内外の研究者との交流ができたことから、当初の研究計画は、おおむね予定通り実施されたと思われる。 ところが、インドネシアで実施する予定のフィールドワークは、2016年1月にジャカルタでテロ事件が起きたため、急遽延期することになった。そのため、東南アジアにおけるフィールドワークの実施は、来年度行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度の研究は、おおむね以下三つの面において推進する予定である。(1)タイ、マレーシアとインドネシアに関する実証研究を進むため、東南アジアでフィールドワークを実施すること。(2)ハーバード大学の研究環境を利用して、東アジアにおける国内政治経済改革と地域政治経済の変化に関する先行文献と研究成果をさらに把握し、国際政治経済論の視点から東アジア地域経済協力の国内基盤を分析すること。(3)国内外の研究者との交流を深め、研究成果を学術論文として執筆すると同時に、国内と国際の学会で報告すること。
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Causes of Carryover |
インドネシアで実施する予定のフィールドワークは、2016年1月にジャカルタでテロ事件が起きたため、急遽延期することになった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
以上の理由で、東南アジアにおけるフィールドワークの実施は、来年度行う予定である。
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