2016 Fiscal Year Research-status Report
インドネシア民主化支援における日米豪の市民社会支援-合理選択・構成主義・歴史制度
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15K17012
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
市原 麻衣子 一橋大学, 大学院法学研究科, 准教授 (80636944)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 民主化支援 / 日本 / インドネシア / ミャンマー / 新古典的現実主義 / ソフトパワー / 言語行為 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度には、研究対象としている日本・米国・豪州のうち、日本の民主化支援を中心に研究を行った。平成27年度に米国学術誌Asian Surveyに投稿した論文の掲載が決定し、"Japan's Democracy Support to Indonesia: Weak Involvement of Civil Society Actors"というタイトルで2016年9・10月号に日本の対インドネシア民主化支援を米国のそれと比較分析した論文が掲載された。また、民主化支援をソフトパワー外交と位置づけ、日本の民主化支援に与える国際・国内要因の分析を行い、平成28年10月に開催された日本国際政治学会の部会にて「ソフトパワーとしての日本の民主化支援 -新古典的現実主義による分析-」というタイトルで発表する機会を得たほか、11月には広島大学にてミャンマーに焦点を当てた報告、「日本の対ミャンマー民主化支援」を行い、平成29年3月には同志社大学にて「日本の民主化支援に関する言説と実行の乖離―新古典的現実主義による分析」というタイトルにて報告を行う機会を得た。さらに、一橋大学の学内においても、大学院生向けセミナーにおいて、ミャンマーにおける民主化状況と日本の民主化支援に関する講演を行った。なお、International Political Science Associationにおいても報告を予定していたが、開催予定地であるトルコのイスタンブールでテロが頻発したのを受けて学会開催地が変更されたことに同じパネルでの発表予定メンバーが反発し、パネルをキャンセルせざるを得ない事態となった。また、私が研究する日本の民主化支援をインド・インドネシアの民主化支援と比較する試みも行い、Carnegie Endowment for International Peaceより"Asian Support for Democracy in Myanmar"というタイトルの共著論文として出版する機会も得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた流れと若干異なる形とはなったが、概ね予定通りのペースで研究が進んでいる。当初は平成29年3月にインドネシアにおいてインタビュー調査を予定していたが、Routledge社から書籍として本科研プロジェクトの研究成果を出版する機会に恵まれたため、順序を変更して平成29年3月は書籍執筆に時間を費やした。本書は現在校正段階にあり、平成29年度中には出版に至る見込みである。 その代わりにインドネシアでのインタビュー調査は平成29年度に行うこととする。なお、平成28年度には、インドネシアにおけるインタビュー調査に先んじてミャンマーにおいてインタビュー調査を行う機会に恵まれた。ただし、これはCarnegie Endowment for International Peaceのプロジェクトとも関連していたことから、その際の旅費支出はCarnegie Endowment for International Peaceから受け、科研費を用いる必要が無く済んだ。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度にはインドネシアにおいてインタビュー調査を行うほか、米国・豪州の民主化支援に関する研究を加速していく。平成27年度の研究を終えて必要性を感じたミャンマーに関する調査を平成28年度中に行うことができたことから、今年度のインドネシアにおけるインタビュー調査を踏まえて比較分析を行う予定である。 なお、引き続き日本の民主化支援に関して研究発表をする機会が平成29年度中にもあり、具体的には5月末に開催される国際会議において研究発表を予定している。
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Causes of Carryover |
次年度使用額は32,475円であり、大きな金額ではないが、平成28年度中にインドネシアにおいてインタビュー調査を行うことができなかったことから発生した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成29年度中にインドネシアにおいてインタビュー調査行う際に使用させて頂きたい。
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Research Products
(6 results)