2017 Fiscal Year Research-status Report
インドネシア民主化支援における日米豪の市民社会支援-合理選択・構成主義・歴史制度
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15K17012
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
市原 麻衣子 一橋大学, 大学院法学研究科, 准教授 (80636944)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ソフトパワー / パワーポリティクス / 言語行為 / 漸進主義 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度にはインドネシアで現地調査を行い、インドネシア外務省、財務省、国家開発企画庁、国家事務総省、Institute for Peace and Democracy、Center for Strategic and International Studies、JICAインドネシア事務所など、援助および民主化支援に関連する各種機関においてインタビューを行った。その他、一次・二次資料を用いて研究対象三カ国である日本、米国、豪州の民主化支援に関する研究を行った。 その結果は様々な形で発表した。まず、日本に焦点を当てながらも米国との比較考察を行った単著、『Japan's International Democracy Assistance as Soft Power: Neoclassical Realist Analysis』を8月に英国Routledge社より出版した。また、日本の支援がアジアにおけるパワーバランスの変化に大きく影響されている点を踏まえ、「The Changing Role of Democracy in Asian Geopolitics」と題する論文を執筆し、Carnegie Endowment for International Peaceより9月に出版した。また、日本と豪州の民主化支援に関する比較考察を行い、早稲田大学(9月)、豪州のWestern Sydney University(9月)、および明治大学(12月)で開催された国際シンポジウムにて報告した。その他にも、一橋大学とCarnegie Endowment for International Peace共催の国際シンポジウムを5月に一橋大学で開催し、世界各国から30名の研究者を招聘して比較研究を行い、自分自身も日本の民主化支援に焦点を当てた研究発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成29年度はUSBメモリのトラブルに見舞われ、その改修にかなりの費用を充当しなければならなくなってしまったが、他のプロジェクトに絡めてインドネシアへの出張を行うことができるなど、経費を削減できた部分もあったため、研究を順調に進めることができた。平成29年度に行った研究成果として、平成30年度中に出版できる見込みの論文が既に3本あり、全て英文にて執筆している。平成29年度の研究報告は学会において行う形とはならなかったが、日本および豪州で開催された複数の国際シンポジウムで報告の機会を得ることができ、多くの有益なコメントに恵まれた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度は本科研プロジェクトの最終年度にあたる。夏には米国に出張し、現地調査を行う予定であるが、それ以外にも米国にて研究発表を予定している。当初は豪州への出張も夏に行いたいと考えていたが、夏に複数の執筆締切があるため、豪州での調査は冬に行うこととしたい。なお、5月に国内で行われる国際シンポジウムでも研究報告の機会を持つこととなっているほか、6月には本プロジェクトに関連した国際シンポジウムを主催する予定である。ただし、費用は他のプロジェクトから支出を受けられる見込みである。
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Research Products
(6 results)