2015 Fiscal Year Research-status Report
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15K17017
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| Research Institution | Chiba University |
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Principal Investigator |
岸本 信 千葉大学, 法政経学部, 准教授 (00610560)
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| Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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| Keywords | 技術移転 / 交渉 / 2部料金 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、寡占市場で競争する企業（潜在的なライセンシー）と技術所有者との間で、2部料金（一括払い料金と従量料金の組合せ）によるライセンス契約が交渉を通じて締結される状況を分析した。潜在的なライセンシーが競争する寡占市場として、製品差別化が存在する市場を含む一般的な枠組みで定式化を行い、交渉の結果として達成される安定的なライセンス契約が存在する条件と、その安定的なライセンス契約の中で、技術所有者の利潤が最大となるライセンシー数と2部料金の特徴を考察した。主要な結果は、以下のとおりである。(1) 交渉を通じて締結される安定的なライセンス契約の中で、一括払い料金のみでライセンス契約が締結される状況は、従量料金のみの場合や一括払い料金と従量料金を併用した契約が締結される場合と比較して、限定的である。(2) 技術所有者とライセンシーの総余剰との和を最大にするライセンシー数と等しい数の企業と技術所有者が交渉を行う場合、安定的なライセンス契約は必ず存在する。(3) 技術所有者とライセンシーの総余剰との和を最大にするライセンシー数が潜在的なライセンシー数の半分以下の場合、そのライセンシー数と等しい数の企業と技術所有者が交渉したとき、安定的なライセンス契約の中で、技術所有者の利潤が最大となるライセンス契約が交渉の結果として締結される。(4) (3)の前提条件が成立しない場合でも、技術所有者は、ライセンシーの総余剰との和を最大にするライセンシー数と等しい数の企業と交渉したほうが、それ以外の数の企業と交渉するよりも、多くの利潤を獲得できるライセンス契約を交渉の結果として締結できる。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、本研究課題に関する様々な研究を行う基礎とするため、交渉を通じた技術移転契約において、今後の研究対象となる市場構造を包含する一般的なモデルを構築し、そのモデルの分析を行った。また、その研究成果を関連学会でも報告した。これからも、本研究課題の研究を進めるうえで、その基礎となる研究を必要に応じて行う可能性はあるが、本年度の研究により、次年度の研究計画を遂行する上で検討すべき先行研究や次年度の研究の方向性が定まった。よって、当初の目的に従って、本研究課題の研究は順調に進んでいる。
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| Strategy for Future Research Activity |
今後は、本年度行った研究の成果を関連する学会や研究会などで研究報告すると共に、本年度行った研究をもとにして、製品差別化が存在する市場で潜在的なライセンシーが競争する状況における技術移転契約の分析を開始する。また、この研究と並行して、本研究課題に関する最新の研究結果の調査及び関連する学会や研究会での情報収集を行い、それらから得られた知見を研究に反映させ、より効率的に研究を進める予定である。
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| Causes of Carryover |
平成28年度に参加を予定している学会と研究会が、当初の計画よりも増えたため、その旅費の不足分をまかなうために、本年度の予算を来年度に残すことにした。
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| Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成28年度及び平成29年度に請求した研究費は、研究計画で示したとおり、その年度中に使用する予定である。また、平成27年度に使用できなかった研究費については、旅費として当初の計画では参加を予定していなかった学会や研究会に参加するため、平成28年度中に使用する予定である。
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Research Products
(2 results)
