2018 Fiscal Year Annual Research Report
Expectation Formation and Macroeconomic Dynamics
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15K17024
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
中園 善行 横浜市立大学, 国際総合科学部(八景キャンパス), 准教授 (10707483)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | インフレ期待 / 金融政策 / 中央銀行 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究の目的は、経済主体が形成する期待の特徴と、期待とマクロ経済変数の相互依存関係を分析することである。近年、経済主体が形成する期待に対する関心が高まっている。背景には「非伝統的な金融政策運営」がある。短期金利がゼロ%近傍まで低下する中、先進国の主要中央銀行は、近年、経済主体の期待に働きかけることで緩和効果を得ようとする「非伝統的な金融政策」を採用している。しかし、経済主体が形成する期待に関しては十分に研究が蓄積されているとは言い難い。そこで本研究では、期待に関するサーベイデータ等を活用し、経済主体が形成する期待の特徴とマクロ経済動学の関係を分析した。研究の成果は下記の通りである。第一に、インフレ予想に関するサーベイデータを用いて、インフレ予想が経済主体間でばらつく現象とその背景について分析し、インフレ予想の横断面のばらつきは、情報の硬直性によって説明可能であること、長期のインフレ予想は中央銀行と民間経済主体の間で不一致が生じていること、2013年に物価安定の目標が設定されて以降、家計による短中期のインフレ予想は2%に向けて徐々に近づく一方、長期のインフレ予想は2%に収れんしておらず、むしろ予想のばらつきの程度は拡大していた点を明らかにした。第二に、中央銀行の予測の優位性について検証を行った結果、中央銀行と民間経済主体では予測の精度に差が生じていたが、物価目標の水準に関する情報を公開した後は予測の精度に差がなくなったことを発見した。第三に、民間経済主体が「合理的期待」によって期待を形成するとは限らない場合の金融政策について分析を行った上で、流動性の罠に陥った経済においては、中央銀行がコミットメント型の政策を採用した場合は、経済主体が合理的に期待を形成した場合でも、期待形成が完全に合理的とは言えない場合でも、経済にショックが生じた場合の経済動学が大きくは変わらないことを示した。
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Research Products
(3 results)