2017 Fiscal Year Research-status Report
医療技術進歩依存の内生的寿命を伴う動学マクロモデルの構築とその拡張・応用
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15K17030
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| Research Institution | Tezukayama University |
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Principal Investigator |
川岸 岳人 帝塚山大学, 経済学部, 准教授 (00708977)
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| Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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| Keywords | 寿命 / 医療技術 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度においては、当初の研究計画の設定に修正を施す形で医療技術進歩依存の内生的寿命を伴う基本モデルの再構築を行ったが、結果の導出は数値シミュレーションに依存せざるを得ず、一般性を欠いた分析にとどまっていたという課題が残っていた。このため平成29年度は、数値シミュレーションに頼ることなく、手計算から一般的な形で結果(政府の医療技術投資の資本蓄積への効果)を導出するということを第一に取り組んだ。一般的な結果が得られない状況では基本モデルの拡張・応用は厳しいためである。しかしながら、この作業が想定以上に煩雑であり、多くの時間を費やしたものの最終的には手計算からの導出は困難との結論に達した。したがって、結果は数値シミュレーションによる非常に限定的なものとなってしまい、再構築した基本モデルの応用可能性は低いと言わざるを得ない。
基本モデルの拡張・応用という点が本研究課題の目指すところであるため、医療技術進歩依存の内生的寿命のセッティングを見直し、手計算から一般的な結果を得ることのできる基本モデルを今一度構築し直さなければならない。この点を来年度(平成30年度)は急務として第一に取り組む。なお、内生的寿命のセッティング見直しについては、寿命が医療技術に間接的に依存する場合も含め大きな視点で捉え、この部分で煩雑さの回避を図る方針である。その他の設定は平成28年度のモデル構築を基本的には踏襲するが、不要と思われる部分については適宜削ぎ落としていく。また拡張・応用に関しては、特に年金システムの導入に焦点を当て、分析に取り組んでいく形に変更をする。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究実績の概要で述べた通り、平成29年度は再構築した基本モデルから一般的な結果を導出するという点に力を注ぐ形となり、ここに大部分の時間を割くことになってしまった。このため、当初の研究計画における基本モデルの拡張・応用という部分を進めることができず、進捗状況は遅れていると言わざるを得ない。こうした状況下、再構築した基本モデルの見直し、そしてその拡張・応用まで分析を進めるためにも研究期間の延長申請を行った次第である。
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| Strategy for Future Research Activity |
来年度(平成30年度)は急務として基本モデルの完成を第一に目指す。その際、分析の煩雑さの回避、基本モデルの拡張・応用のしやすさのため、平成28年度に再構築したモデルの不要な部分の除去、内生的寿命の設定の見直しを行っていく。結果の導出においては、一般性を重視し主として手計算で進め、数値シミュレーションについては補助的な役割としての使用にとどめていく考えである。
基本モデルの拡張・応用に関しては、特に年金システムの導入という点に絞って取り組んでいく。政府が医療技術への投資、賦課方式の公的年金支給という2つの支出項目を持つとき、医療技術進歩、年金(賦課方式)、個人の寿命はどう関係していくのか、この点を中心に分析を進めていく予定である。
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| Causes of Carryover |
平成29年度は再構築した基本モデルから一般的な結果を導出するという点に終始してしまったため、新たな分析に着手できず物品等の購入を控えたことが原因である。
生じた次年度使用額については、基本モデルの拡張・応用の際にサーベイとして必要となってくる本や資料などの購入や査読誌への投稿費用等に充てていく。
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