開発途上国農村部における金融取引の実態と貧困削減策のあり方に関する研究

2018 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 15K17053
• Research Institution: Gunma Prefectural Women's University
• Principal Investigator: 布田 朝子 群馬県立女子大学, 国際コミュニケーション学部, 准教授 (40533815)
• Project Period (FY): 2015-04-01 – 2020-03-31
• Keywords: 開発経済学 / ミャンマー / 貧困削減 / 農村経済 / マイクロファイナンス / 信用 / 保険 / 預金

Outline of Annual Research Achievements

2018年度は年度途中となる、4月から秋頃までの間の研究実施であった。その後は産前産後休暇および育児休業のため中断と、それに伴う一年度の研究期間延長を許可していただいた。そのため、当初の計画を大きく変更することになったが、変更後の研究計画に沿っておおむね順調に研究を遂行することができた。具体的な成果は、以下の３点である。
第一に、当初の計画通り、昨年度にひきつづき、既に実施済みのミャンマーでの調査で収集した資料の整理のほか、それらの分析可能な形への入力作業や、分析作業に取り組んだ。当該資料はすべて現地語で手書きのものであり、300人程度の膨大なデータであるため、整理や分析には時間を要する。それゆえ、正確に慎重に進めていった。
第二に、当初の計画通り、論文執筆や書籍の執筆に積極的に取り組むことができた。執筆作業は順調に進んでいる。今後もひきつづき研究会等での発表の場を設けて意見交換をしたり、査読プロセスで修正したりしながら、改善して仕上げていきたい。
第三に、研究最終年度となる来年度（２０１９年度）の研究計画を綿密に計画しなおすことによって、現地で実施する予定である調査活動を着実に実行できるように準備を進めた。その際、渡航先となるミャンマーでの調査活動を協力してくれる関係者、関係機関との連絡等をひきつづき綿密にとることによって情報収集を行って計画策定に参考にすることができた。現地での調査行程には、調査補助員として現地関連機関の職員が同行する必要があるが、調査は全て筆者自らが通訳を介さずに行う予定である。

Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

2018年度は、当初の計画通り、調査データの分析等を進めつつ、研究成果の発表として、学術論文（英文）と書籍（分担、日本語）の執筆を進めることができた。さらに、関連する次の話題についての執筆準備作業にも取り組んでいるところである。そのため、今年度も当初の計画をおおむね順調に進めることができたと評価している。

Strategy for Future Research Activity

研究再開後研究修了までの期間は約1年間であり、その研究実施計画は主に以下の3点である。第一に、当初の計画通り、ミャンマーへ渡航して現地調査を実施する。適切な調査手順を踏みながら、訪問すべき村落等はすべて周り、収集すべき資料についても良好な回収率で収集することができるように、ひきつづき連絡調整等の準備を丹念に行う。第二に、当初の計画通り、必要に応じて最終的な事実確認等や追加的に発生しうる質問項目の補足調査も実施する。第三に、現地調査終了後、収集したデータの入力・整理・加工を行い、できる限り速やかに分析へと進める。これまでの経験から、分析に至るためのデータ整理等にかかる時間もかなりかかることが予想されるため、これらの作業時間を確実に確保していくこととする。最終的には、分析結果を学術論文として仕上げつつ、国内のみならず国外でも積極的に研究発表の場を設けて分析を深める。なお、実務にも有益な成果は、現地の政策関係機関への提言としてフィードバックする。

Causes of Carryover

産前産後の休暇又は育児休業の取得に伴う補助事業期間の延長を承認された（30年12月27日付）ため次年度使用額が生じ、当該期間延長申請書に記した計画に基づき使用する。