2020 Fiscal Year Annual Research Report
Study on Financial Services for the Rural Poor in Developing Countries
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15K17053
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Research Institution | Gunma Prefectural Women's University |
Principal Investigator |
布田 朝子 群馬県立女子大学, 国際コミュニケーション学部, 准教授 (40533815)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 開発経済学 / ミャンマー / 貧困削減 / リスク / マイクロファイナンス / 信用 / 保険 / 預金 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の最終年度に実施した研究成果として、まず、論文を完成させて刊行したことが挙げられる。当該論文は、貯蓄グループ(Savings Groups)に関する事例研究の一つとして位置づけられる。また、研究成果を振り返り、現地調査の関係者に対して研究成果の報告・フィードバックを遠隔で実施した。 本研究の研究期間全体を通じて実施した研究成果は、大きく分けて以下の2点である。第一に、当初の2つの目的の通り、開発途上国の貧困層や最貧困層にとっての様々な金融手段の意義や関係性を踏まえながら、事例研究を行った。本研究の目的は、第一に、信用貸し、預金、保険、決済といった様々な金融手段の不備の関連性やそこから生じる諸問題を明らかにし、それらの改善策を検討することである。第二に、最貧困層の金融アクセス改善についてその重要性や手法を明らかにして、最貧困層支援のあり方を探ることである。特に、既存の金融支援プログラムでは取り残されてしまう最貧困層について、その支援方法のひとつとしての貯蓄グループに焦点を当てて事例研究を行った。本研究の成果は、研究会での報告や論文刊行などの形で発表された。貯蓄グループは貯蓄のみならず、信用貸しや相互扶助・保険といった複数の金融手段として機能し得るものである。その最貧困層への意義などについては、本研究のみならず他国の事例研究を含めて、いまもなお分析が進められている。 第二に、上記の貯蓄グループに関する事例研究や、アフリカやアジアにおける他の事例研究の整理などを通して、最貧困層向け金融支援プログラムの分析の重要性が明らかとなった。そして、さらなる分析課題を明らかにすることができた。これにより、今後のさらなる研究の進展につなげることができた。実際に、筆者が代表者となる科学研究費補助金助成事業が開始しており、ひきつづき研究を進展させる見込みである。
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Research Products
(1 results)