2016 Fiscal Year Research-status Report
距離の概念を取り入れた国際貿易における関税と環境政策の効果の研究
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15K17059
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| Research Institution | Kyoto Sangyo University |
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Principal Investigator |
川越 吉孝 京都産業大学, 経済学部, 准教授 (40582193)
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| Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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| Keywords | 国際輸送 / 国内輸送 / 関税 / 排出税 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
国内輸送と国際輸送を取り入れた研究に関しては、最適な関税及び国内輸送に対する排出税において適切な政策的含意を検討することに時間を費やしている。現時点では、国内及び国際輸送企業の数や国際輸送に対する課税水準が外生変数となっており、多くの結果が導かれてしまう。それらの結果のうち、どれが大事な結論であるのかの議論が必要となっている。そのために、国際輸送企業を完全競争に変更し、改めて分析を行う必要があった。
また、国際輸送からの排出が、国際輸送を行う船舶の大きさに依存していると仮定した分析を行った。輸送量が同じであれば、船舶規模に応じて排出が増加するのは一般的である。この時、政府が輸送量に対する課税と船舶に対する課税が可能であるとした。両方の課税がもたらす輸送量や経済厚生に対する効果は、異なることがあることが明らかになった。しかしながら、適切な政策的含意を導くためには、もう少し精選化が必要とされる。
その他にFTAと国際輸送に関する分析を行っている。例えば、距離が遠いが価格が安い国との貿易が行われていたとする。この時のFTA締結は、貿易取引量を増加させるため輸送からの汚染が増加するのが一般的である。しかし、輸送距離を考慮に入れた場合、距離が近い国との締結によって、貿易取引量が増加しているにもかかわらず排出が減少する可能性がある。この研究に関しては、比較静学までは終了した。
最後に、27年度に投稿した論文は、修正し再度投稿を行った。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
国際輸送と国内輸送に関する研究は、政策的含意の導出の為、モデルを一部変更する必要があり、やや停滞した。本来、この研究は、平成28年度には投稿を検討していた。また、再投稿を行った研究に関して、再投稿までの準備に時間を費やすこととなり、「やや遅れている」と評価した。しかしながら、船舶規模からの汚染排出に関する研究と、FTAと国際輸送に関する研究に関しては、分析を進めることが出来た。精選化及び文章作成が必要とされるが、それを踏まえても、研究は進展したと考えられる。したがって、「おおむね順調である」に近い、「やや遅れている」状況であると判断している。
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| Strategy for Future Research Activity |
国際輸送と国内輸送に関する研究は、政策的含意が概ねまとまったことから、平成29年度中に投稿を行う。
FTAと国際輸送に関する研究においても、投稿に至らない場合であっても、ディスカッションペーパー等で、公開することを検討している。また、モデルの精選化の為、国内外での学会もしくは研究会での報告を検討している。
国際輸送規模に応じて排出が出ることを想定した研究に関しては、どのように分析を進めていくのか再検討が必要な状況になっている。
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| Causes of Carryover |
本来予定していたヨーロッパで開催された国際学会への参加は、学内業務のタイミングと重なり見送った。この結果、行先を変更したため、旅費として計上していた金額よりも支出額が減少したため。
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| Expenditure Plan for Carryover Budget |
本研究テーマの最終年であるため、学会報告を検討している。具体的にはイタリア・フィレンツェでの報告に応募予定である。また、アメリカでの学会での報告も予定している。そのため、英文校正にも一部の費用の支出を行う予定である。
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