2016 Fiscal Year Research-status Report
家計による介護サービス需要の計量分析: JSTARによる構造推定アプローチ
Project/Area Number |
15K17070
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
菅原 慎矢 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 特任助教 (30711379)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 高齢化 / 有料老人ホーム / 計量経済学 |
Outline of Annual Research Achievements |
STAR機密レベルHighデータを取得し、分析を行った結果、本研究に必要な介護保険利用者のサンプルが、このデータにはあまり含まれていないことが判明した。このことは、JSTARの作成元の研究者にも報告を行った。本研究ではJSTARに変わるデータとして、日本老年学会が収集しているJAGESを用いる事にし、データ取得を行った。JAGESを用いた研究として、沖縄における高齢者の健康状態について、沖縄国際大学金城敬太氏・琉球大学白井こころ氏との共同研究をすすめている。 また、以前から執筆・投稿していた下記論文について、学術誌への採用が決まった。まず、日本の有料老人ホーム市場に関する論文 "Firm-driven Management for Longevity Risk: Analysis of Lump-sum Forward Payments in Japanese Nursing Homes"は, Journal of Economics and Management Strategy誌に採択された。沖縄国際大学金城敬太氏との共同研究である、事例ベース意思決定理論に関して実証研究への応用を行った"Predicting Empirical Patterns in Viewing Japanese TV Dramas Using Case-Based Decision Theory"については、B.E. Journal of Theoretical Economics誌に採択された。また、大森裕浩東京大学教授との共同研究として、保険市場におけるモラルハザードと選択行動を文理識別する手法を提案した "An Econometric Analysis of Insurance Markets with Separate Identification for Moral Hazard and Selection Problems"が、Computational Economics誌に採択された。 さらに、東京大学飯塚敏晃氏・早稲田大学野口晴子氏との共同研究により、滋賀県で行われた介護P4P政策の評価を行う研究をおこなっている。当該研究は、いくつかの研究会で発表を行い、投稿準備を行っている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画とは若干の異動が細部に見られるが、関連する重要課題に対して実証分析・分析手法開発を行う研究が進み、該当課題についての意味ある成果が得られている。また、研究成果の公開も順調に進んでいる
|
Strategy for Future Research Activity |
まずは現在進行中の課題について作業を終了し、論文を投稿することが目的となる。一方で、高齢化に関わる分野にはまだ研究課題が多いが、本研究を遂行する中でいくつかの課題については分析の糸口を見つけたと考えている。また、他の研究者とも交流し、今後の研究に関する指針を得たことも本研究における成果であった。今後も高齢者介護は日本社会において重要な課題であり、自分の第一の研究課題として追求していくつもりである。そのなかで、今回見つかった多くの未解決課題についても、今後他の研究者との連携をはかりつつ、一つずつ遂行していきたいと考えている。
|
Causes of Carryover |
2017年度での異動が決まり、会計処理を明確化するため年度末に予算執行を制限したため。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
昨年度末から繰り越した分も含め、予定通りに執行する。
|
Research Products
(8 results)