2015 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
15K17078
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Research Institution | Kochi University of Technology |
Principal Investigator |
新居 理有 高知工科大学, 経営学部, 講師 (70590462)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 公債 / 財政再建 / 政治過程 / 投票 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者は,政治過程を通じて,どのような公債政策が選ばれるかを分析できる動学モデルの構築を進めた.具体的には,政治過程として,若年世代と老年世代が投票し,支持する政策(政党)を選ぶ状況を考える.このような状況において,公債残高の累増が進むか公債残高を削減させるような政策が選ばれるかを分ける条件について分析を進めている.構築したモデルに関しては,複数の研究会において研究報告ならびにディスカッションを進め,モデルのさらなる構築・改良を進めている最中である. また,研究会における研究報告を通じ,モデルの前提条件の検討や拡張に関する有益なコメントをいくつか受けた.これらを受けて,さらなるモデルの検討に活用する所存である.具体的には,次の二点について調査を続けていく考えである.(1)研究計画の方法2であげた通り,国内主体が公債の保有者となる状況を再現したモデルを構築し,政治過程を通じてどのような公債政策が選ばれるかを明らかにできるか検討する.(2)方法2で関連する内容として,財政政策と金融政策の関連を導入したモデルの構築ができないかを検討する.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初提出した研究計画においては,初年度は「財政再建プロセスを考慮した下での,政治過程を通じた公債政策を分析できる理論モデルを構築する」ことを目標としている. これに対して実際の進捗状況は以下のとおりである.平成27年度において,理論モデルの構築を実施した.そしてこのモデルに関していくつかの研究会で報告を行い,研究者間で議論を行った.現在はそれらの助言を受けつつ,モデルの改良を進めている.さらに,研究会での議論を通じて,方法2におけるモデルの前提条件の検討や拡張の方向性についても有益なコメントを受けており,分析の基礎とすることが期待できる. 以上の現状を鑑みるに,当初の研究計画と比較して,おおむね順調に進展していると判断できる.
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Strategy for Future Research Activity |
第一に,研究計画における方法1の理論モデルの構築・改良を終え,また必要に応じてモデルの定量的な分析も実施する.定量的分析は研究成果のとりまとめに必要となる可能性があるとともに,方法3の準備ともなる.そしてこれらの研究成果の対外的な発信を進めていく所存である.具体的には国内外の学会発表を進めるとともに,査読付き国際学術雑誌への投稿を目指す. 第二に,研究計画における方法2を遂行する.具体的には,小国開放経済モデルを前提としたモデルを修正し,閉鎖経済における公債政策の決定に関して分析できるモデルの検討を行う.初年度の研究発表においても「日本のように国内において多数の公債保有者を有する状況を分析するには閉鎖経済の分析が必要ではないか」とコメントを受けており,この点についての検討が重要であると考えられる.また,金融政策と関連付けた分析ができないかについてもコメントを受けたため,方法2に関連した内容として,このような分析に関してもモデルの構築を検討する.
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Causes of Carryover |
当初予定していたノートパソコンが,品切れのために発注できず,また最低限度の代替的な機能(論文作成,データ収集など)を果たすノートパソコンを別途調達できた.この理由により,次年度使用額が発生した
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
定量的な分析を実施するうえで,現在調達しているものよりもより高い能力を有するコンピュータが必要となる可能性がある.このようなコンピュータの調達費用に,次年度使用額を充てる予定である.
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Research Products
(1 results)