2015 Fiscal Year Research-status Report
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15K17122
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
菅野 洋介 中央大学, 商学部, 准教授 (00579980)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 部門間調整 / 製品デザイン開発 / デザインマネジメント |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、製品開発プロセスにおけるデザイン部門と他部門の相互調整に着目することで、企業の競争優位や高い業績に貢献する優れた製品デザインを効果的に創出するための組織マネジメントにおける重要な要因を明らかにすることである。 初年度となる2015年度は、既存研究成果の整理・検討を行い、本研究の学術的な位置づけを明確にするとともに、戦略・組織等の構造的要因、製品デザインに関わる部門間調整、製品デザインの成果の関係を統合的に分析するための分析枠組みを構築し、調査を実施するうえでの重要論点の導出に取り組んだ。具体的には、製品デザインに関わる部門間調整や組織要因に関わる既存研究を整理・検討し、これらの既存研究では何がどこまで明らかにされているのかを把握するとともに、既存研究の問題点を抽出し、本研究の位置づけを確認した。また、製品デザインに関わる部門間調整プロセスに影響を及ぼす戦略や組織等の構造的要因に関する既存研究も検討し、戦略や組織というマクロな視点と、成員のコミュニケーション、情報処理、知識創造というミクロな視点の両方からアプローチし、それらを分析対象として検討した。そして、これらの検討を通じて、インタビュー調査を実施するうえで着目すべき重要論点を導出した。 本研究では、既存研究成果の検討を通じて導出した重要論点に基づき、自動車メーカー、家電メーカー、設備機器メーカーの3社のデザイン部門管理者に対してインタビュー調査を実施した。そして、インタビューで収集したデータを、定性分析ソフトを活用して分析することで、事例間に共通する論理を繰り返し確認し、概念間の関係やその背後にある論理を検討し、仮設の生成と概念モデルの構築を行う足がかりとした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2015年度の研究計画では、既存研究の整理・検討を行い、本研究の学術的な位置づけを明確にするとともに、調査を実施するうえでの重要論点を導出し、インタビュー調査を実施することとしていた。それに対して、当該年度においては、既存研究成果の整理・検討が概ね終了し、その成果に基づいたインタビュー調査も実施することができた。また、インタビューで収集したデータを定性分析ソフトで分析し、仮設の生成や概念モデルの構築も試みた。以上から、現在、本研究の計画は概ね順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
2年目となる2016年度は、引き続き日本の製造業企業を対象としたインタビュー調査を実施していく予定である。複数の事例を調査・分析することで、概念定義の妥当性や測定可能性の検討を行い、概念間の関係における内的妥当性を高めていくことを目指す。また、複数事例間を比較・検討することで、概念モデルの外的妥当性を高めることと理論的飽和の状態に達することを目指していく。最終的には、操作化可能な概念モデルの構築を行い、定量的な調査の計画を立てる予定である。
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Causes of Carryover |
2015年度には、関西・東海地方の製造業企業を対象としたインタビュー調査を計画していたが、首都圏の企業を対象にインタビュー調査を実施したり、調査対象者が東京に滞在している折にインタビューを実施したりしたため、その分の旅費が繰り越されることとなった。また、海外ジャーナルへの投稿のための英文校正の費用を予定していたが、分析や執筆に遅れが出ており、その分が繰り越された。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
2016年度は、引き続き、東海・関西地方の企業に関する現地調査と、海外ジャーナルへの投稿のための英文校正の費用を予定している。
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Research Products
(4 results)