2016 Fiscal Year Research-status Report
先端的航空宇宙プロジェクトの価値評価モデル開発と応用研究
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15K17124
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| Research Institution | Ritsumeikan University |
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Principal Investigator |
湊 宣明 立命館大学, テクノロジー・マネジメント研究科, 准教授 (30567756)
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| Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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| Keywords | プロジェクト評価 / 航空宇宙 / 極超音速機 / システムダイナミクス / 社会経済価値 / 定量評価 / 研究開発目マネジメント / 技術経営 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
先端的研究開発プロジェクトに関する従来の評価手法（費用便益分析、産業連関分析、仮想評価法、等）は、過去データに基づく統計的推算、又は主観的価値の集計に留まり、将来の社会変化を踏まえた評価となっていない。すなわち、社会にイノベーションを起こすと期待される革新的な研究開発の評価手法としては十分な機能を備えていない。そこで本研究は、システムダイナミクス手法を採用して、政府、研究開発、供給、製造、サービス、労働者、消費者間の相互依存性をモデル化し、売上高、事業価値、雇用者数、税収等の定量指標により時系列で評価可能なモデルを構築した。投資効率や価値創造の大きさに加え、キャシュフローを基に雇用創出効果や税収効果を推計し、さらに雇用調整や産業シフトのタイミングまで事前に予測することが可能となり、研究開発プロジェクトの戦略的マネジメントを可能にした。
平成28年度も研究対象として航空宇宙分野を選定した。航空機開発に関する日米欧の事例比較を実施し、研究成果をアジア太平洋システムダイナミクス学会（シンガポール国立大学）において発表した。また、国際学会IFSPA2015で最優秀論文賞（Best Paper Award）を受賞した論文が国際ジャーナル誌Journal of Air Transport Managementに採録された。さらに、本研究成果をその一部に含む研究提案が日本学術会議が公募する学術大型研究計画（マスタープラン2017）の重点研究として選定された。また、研究成果の一般普及の観点から、Future Mobility研究会において「航空宇宙モビリティーの未来」と題した一般講演を実施した。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画に記載された項目を概ね遂行することができた。欧州との研究連携に関しては、ロンドン大学との共同研究成果に基づく論文が国際誌Journal of Air Transport Managementに採録されるなど具体的に進捗している。また、次年度計画を見据えたヘルスケア分野へのモデル応用化も前倒しして進めており、国際システムダイナミクス学会（2017年7月米国Boston）で研究発表することが決まっている。
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| Strategy for Future Research Activity |
航空宇宙分野におけるモデル構築実績をベースとして、モデリング手法の汎用化を試みる。具体的には、ヘルスケア分野への応用を目指す。同分野の先端的研究開発では、医療費・保険費等を含めた社会システム全体のモデル化が重要である。本研究で開発した統合シミュレーションモデルを援用することで、政府-産業-市場の相互依存関係を長期間にわたって評価することが可能になると考えられる。
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| Causes of Carryover |
欧州への出張計画を変更し、アジア地域（シンガポール国立大学）への出張に変更したことにより、海外旅費の未執行額が発生した。
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| Expenditure Plan for Carryover Budget |
未執行分については米国出張（国際システムダイナミクス学会、ボストン）に必要な追加経費として執行する計画である。
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