経営手法の流行化現象の解明：環境分野を中心とした動態的視点による事例分析を通じて

2016 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 15K17126
• Research Institution: Chuo University
• Principal Investigator: 三木 朋乃 中央大学, 商学部, 准教授 (60508604)
• Project Period (FY): 2015-04-01 – 2018-03-31
• Keywords: 制度 / 規格 / 流行

Outline of Annual Research Achievements

本研究は、経営手法の流行化現象を理解するための理論モデル構築を目的としている。特定の事例を取り上げて、経営手法作成者の意図を追いつつ、流行化現象のメカニズムを明らかにしていくことを目的としている。
本年度は、昨年度に引き続き、文献レビューを行なった。とりわけ、イノベーション論やネットワーク理論を用いた既存研究のとりまとめを行なった。その結果、経営手法の対象として、当初はマネジメントシステムや報告書を想定していたが、こうした「制度」と同じ役割を果たすものとしては規格や標準も含まれることが明らかとなり、経営手法の対象範囲を広げて調査を行うことが妥当であるとの結論に至った。また、定量的な調査を行う上では、環境分野に絞るよりも、分野を狭めずにデータを分析するほうが、流行化現象のメカニズムを解明する上では適切であることもわかった。このように既存研究のレビューの結果、分析対象、分析対象分野の変更が生じた。一方で、定性的な調査については、分野を絞ったまま環境分野で行う方針を定めた。
また、本年度は、社会ネットワーク分析手法を用いた実証分析を行うために、基礎となるデータの収集についても実施した。対象範囲の変更ともない、対象はISOの規格・マネジメントシステムとした。これまでに制定されてきたISOの規格について、内容、設立幹事国、他のISOとの関連などのデータを収集した。分析については来年度以降行う

Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

既存研究レビューの結果、研究対象の追加、および研究対象分野の追加の必要性が明らかとなり、既存研究レビューに関して時間がかかっており、当初の計画よりも遅れている。

Strategy for Future Research Activity

研究対象、および研究対象分野について、本年度その方向性を定めることができたため、今後はこの方針にのっとって、定量的な調査を進めていきたい。来年度は、本年度のデータをもとに定量的な分析を実施することとし、合わせて定性的な調査も並行して進める予定である。

Causes of Carryover

本年度は既存研究レビューの段階にとどまっており、当初の計画で実施予定であった大規模な定量的な調査が実施できていないため、1315807円の繰越となった。

Expenditure Plan for Carryover Budget

調査の方向性が定まったため、定量的調査および定性的調査については来年実施することとし、1315807円については質問票調査費として使用を予定している。