2015 Fiscal Year Research-status Report
スマートフォンを用いた倉庫内作業プローブシステムの動作識別に関する研究
Project/Area Number |
15K17140
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Research Institution | Tokyo University of Marine Science and Technology |
Principal Investigator |
麻生 敏正 東京海洋大学, その他部局等, 助教 (90636630)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 作業プローブ / 倉庫内作業 / スマートフォン / 物流 |
Outline of Annual Research Achievements |
本プロジェクトでは、物流の要所である倉庫での作業を対象とし、主要な作業動作の識別方法の検討と実際の倉庫における精度評価を目的としている。本プロジェクトで最も重要なことは、実際の倉庫において作業動作に関するデータを多数取得することである。そこで、実際の倉庫で実験を行うために、多くの物流企業とコネクションがある大学教員や、物流を対象とした情報系企業、物流コンサルタントに連携や協力を依頼した。特に27年度は、実際の倉庫における実験と、倉庫内作業における主要な動作の特徴量の把握を目的とした。 まず、研究協力者を物流企業との窓口とし、実験の交渉を行った上、実験の許可をもらい、実際の倉庫において作業計測の実験を実施した。実験では、10名程度の従業員にスマートフォンを身に着けて、通常と同様に業務を行ってもらった。その様子はビデオカメラで撮影し、現在、詳細な作業分析を行っている。 さらに、この実験では、作業負荷についてもアンケートも併せて行い、作業者が作業負荷が大きいと思う作業動作について検討を行った。さらに、従業員から作業に大きな影響を与える要因についてヒアリング調査を行い、作業に大きな影響を与える要因分析を行った。そして、スマートフォンで取得できる情報(3軸加速度、角度情報、方位角など)と、その動作の相関関係を検討した結果、物流倉庫で共通かつ主要な動作である、「荷の取り出し」において、スマートフォンで計測できる、その作業中の上体の稼働範囲が、作業負荷に大きく関係していることを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本プロジェクトで最も重要なことは、実際の倉庫において作業動作に関するデータを多数取得することである。現在までに複数の倉庫でこちらについての交渉を進めており、今後も継続的かつ拡大的に実験が実施できる見込みが立ってきたため。
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Strategy for Future Research Activity |
上述の実験で得た結果に基づき、識別器を構築する。現在のところ、学習と識別の観点から、ニューラルネットワークを利用することを想定している。こちらについての参考書は、現在数冊保有しており、基礎的なニューラルネットワークを用いたプログラムはすでに作成済みである。識別器は性質上、作業者ごと、作業動作ごと、そして機種ごとのデータのばらつきに影響されることが予想されるため、実験で得たデータを利用して、これらについて検討を行う。動作識別に関する評価では、物流現場では取り扱う荷の種類によって作業動作が大きく変わるものもあるため、これを考慮し、各倉庫ごとの作業の特殊性に着目した個別性能評価を行う。さらに、本システムの基本性能を評価するため、実験を行った全倉庫を対象とした性能評価を行い、本システムの実用性や適用可能範囲を評価する。
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Causes of Carryover |
実験を行う倉庫が比較的大学から近距離のものが多く、また謝金の支払いが生じるような解析作業がまだ発生していないため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度以降により多くの倉庫において実験を行うため、その際の交通費や謝金として利用する。
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