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2016 Fiscal Year Research-status Report

「おもてなし」概念の構築と海外輸出に関する研究

Research Project

Project/Area Number 15K17147
Research InstitutionRissho University

Principal Investigator

浦野 寛子  立正大学, 経営学部, 准教授 (40585957)

Project Period (FY) 2015-04-01 – 2018-03-31
Keywordsおもてなし / ホスピタリティ / サービス / マーケティング / 海外展開
Outline of Annual Research Achievements

本研究は、今年度2年目にあたるが、本研究の目的は3つあった。第一の目的は、日本独自の「おもてなし」概念を定義づけることである。第二の目的は、「おもてなし」を構成する要因を抽出し体系化することである。第三の目的は、「おもてなし」を海外輸出するにあたっての戦略を明らかにすることである。
本年度は、この研究の目的の3つを達成するために、昨年度に引き続き、文献調査、海外現地調査を行った。文献調査としては、「おもてなし」「ホスピタリティ」に関連した書籍・論文より、「おもてなし」の特徴を抽出した。海外現地調査としては、グァムに赴き、日系ホテル(ホテルニッコーグアム)と外資系ホテル(アウトリガー等)のサービス比較を行った。
また、本年度は消費者調査を実施した。当初計画では、1グループ6名として、20~30代、40~50代、60歳以上の男女3グループに対して各1回、計3回、「フォーカス・グループ・インタビュー」を行う予定であったが、サンプル数を多く回収し、データを量的に把握したいと考えたため、今回は定量的なアンケート調査を行うことに変更し、日本の男女、性別の人口構成比に合わせて全国20-70代の500名に対してインターネット調査を行い、回答を得た。これにより、数値データとして可視化することが出来た。
論文発表としては、ここまでの、文献調査、海外現地調査、消費者調査をもとに、国内学術誌4本に掲載を行った。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

まず、昨年度において、文献調査から「おもてなし」とは何か、「おもてなし」の源流を探った上で、日本古来の「おもてなし」の特徴を抽出した。また、日本古来の「おもてなし」概念と、現代における「おもてなし」概念は異なる部分も存在すると考え、現代の産業界における「おもてなし」概念を明らかにするため、「おもてなし」を標榜するサービス関連企業へのインタビュー調査を実施した。
本年度は、昨年度に引き続き、「おもてなし」概念を整理した上で、海外現地調査も昨年度に引き続き実施することで西欧的な「ホスピタリティ」概念との類似点、差異点も考慮しながら、「おもてなし」を構成する要因を整理し、52項目にまとめた。
更に、現代の一般消費者は実際、「おもてなし」をどのように捉えているのか、その実態を定量的に把握するために上記52項目に関するアンケート調査を実施した。調査手法はインターネット調査を採用し、パソコンやタブレット、スマホ等で回答できる環境を構築した。調査対象者の選定については、日本の男女、性別の人口構成比に合わせて全国20代~70代の500名の回答を得る計画とし、調査会社に登録しているモニターから無作為に抽出してメールで回答を依頼した。これにより、サービス提供者側からの視点ではなく、サービスを受ける側の、現代の消費者が「おもてなし」について、どのような要素(構成要因)を重視しているのかということを明らかにした。

Strategy for Future Research Activity

昨年度は主に「おもてなしする側」である産業界に対する調査を行い、今年度は、「おもてなしされる側」である消費者へのアンケート調査を行ったが、次年度に関しては、「おもてなしを第三者的に評価する側」にある機関に調査を行う予定である。昨年度、今年度に行った文献調査ならびに国内外の企業へのインタビュー調査、消費者へのアンケート調査によりまとめた「おもてなし」の概念と構成要因について、その妥当性について意見を表明してもらう。
また、「おもてなし」をいかに広告していくべきかという、新たな問題も産業界へのインタビュー調査を通して提起されたため、こうした問題についても派生的に研究を進めたいと考えている。具体的には、
どのような業界・企業、どのような商品・サービスにおいて、どのような「おもてなし」要素の表現を、どのような強度で用いることが、広告として、消費者に対し有効になり得るのかを知るために、「おもてなし広告」に関する分析を行う予定である。
その後、全体のとりまとめ、研究成果の発信を行っていく。日本特有の「おもてなし」の概念の定義づけ、それを構成する要因の抽出、そして海外輸出に際しての成功要因を明らかにする。研究成果は、論文やケースを執筆して公表すると共に、大学やサービス関連企業に向けた講演を通じて、研究成果を広く社会に還元する予定である

Causes of Carryover

本年度予定していた調査は、概ね順調に予定通りこなした。
次年度への予算の繰り越しはわずかで、特に問題はなく、予定通りだと考える。

Expenditure Plan for Carryover Budget

本年度繰り越した額については、次年度のインタビュー調査の交通費として充当したいと考える。

  • Research Products

    (4 results)

All 2017 2016

All Journal Article (4 results) (of which Acknowledgement Compliant: 2 results,  Peer Reviewed: 1 results)

  • [Journal Article] 消費者視点の「おもてなし」コミュニケーション戦略(上) -「おもてなし」概念の構成要因-2017

    • Author(s)
      浦野寛子、森義博
    • Journal Title

      日経広告研究所報

      Volume: 291 Pages: 10-17

    • Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
  • [Journal Article] 「おもてなし」の海外移転に関する展望と課題 -加賀屋の事例考察から-2016

    • Author(s)
      浦野寛子
    • Journal Title

      立正経営論集

      Volume: 49 Pages: 55-72

    • Acknowledgement Compliant
  • [Journal Article] 産学交流研究プロジェクト -地域創生時代における産学連携の実態と可能性-2016

    • Author(s)
      藤井博義、松村洋平、吉田健太郎、浦野寛子、加藤吉則
    • Journal Title

      立正大学 産業経営研究所年報

      Volume: 34 Pages: 1-12

  • [Journal Article] 「おもてなし」概念の構築と海外移転に関する研究2016

    • Author(s)
      浦野寛子
    • Journal Title

      立正大学 産業経営研究所年報

      Volume: 34 Pages: 13-27

URL: 

Published: 2018-01-16  

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