2016 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
15K17153
|
Research Institution | Shujitsu University |
Principal Investigator |
櫻木 理江 就実大学, 経営学部, 講師 (10707095)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 製品戦略 / 製品増殖 / 流通チャネル / チャネル戦略 / マーケティング |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度に実施した具体的な作業は下記2つである。第一に,POSデータの整理である。本研究では製品数と成果の関係を分析するためのデータの1つとしてPOSデータを用いているが,研究対象としている化粧品業界は特に製品数が多くJANコードの使用に際して追加処理が必要となるため,データ整理にかなりの時間を要した。 第二に,インタビュー調査である。事前にはインタビュー調査の実施を計画していたが,研究を進めていく中でPOSデータを用いた長期時系列分析のよさを活かすためには,アベイラブル・データやインタビュー・データを用いた分析を実施する方が良いと判断するに至った。資生堂ジャパン株式会社,花王株式会社,株式会社カネボウ化粧品の化粧品事業に長期に渡り携わってきた方々へのインタビューを行った。 これらの作業を行った結果,製品増殖に成果が伴わない場合,その背後には2つの異なるメカニズムが作用している可能性が明らかになった。1つ目は,製品増殖の意思決定それ自体が組織内に定着した信念や志向性によって合理的に行われず,「過剰に」製品を増殖するというものである。2つ目は,たとえ事前には一定の合理性が認められた上で製品増殖の意思決定が行われた場合であっても,製品開発や販売の段階における部門間での志向性の違いやパワーのインバランスが成果に不の影響を与えるというものである。まだ仮説の段階ではあるが,本研究では,その中でもデザイン部門の独立性や志向性の違いが与える影響に注目して分析を進めている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
進捗状況の遅れには2つの理由がある。第一に,確保出来ると考えていた研究時間の見立てが甘く,実際には研究時間が十分に確保出来なかったためである。所属する学部は平成26年度に新設された学部であるため,毎年講義数や学務が増える中で十分に研究時間を確保することが出来なかった。 第二に,そのような状況の中で新たに共同研究を進めることとなり,少ない研究時間が更に少なくなってしまったためである。
|
Strategy for Future Research Activity |
研究を推進するために2つの方策を考えている。第一に,データの追加収集である。現時点で必要なデータについてはある程度収集出来ているものの,より説得力のある議論を行うために追加のインタビューデータの収集やアベイラブルデータの収集を行う。その際には,学生アルバイトや専門業者に委託できる部分については委託することで業務を効率化し,研究時間の少なさをカバーしたいと考えている。 第二に,これらのデータ分析の結果得られた成果について,積極的に学会発表や論文といった形式で発信していきたい。まずは部会や研究会での発表を通じて内容を精緻化していきたい。現時点で8月にEAJS 2017 conferenceでの発表はアクセプトされているため,発表に基づく論文の投稿も行う予定である。
|
Causes of Carryover |
昨年度中に海外での学会発表と英語での論文投稿を行うつもりで費用を計上していたが,研究の進捗状況に遅れが生じたためにいずれも出来なかったためである。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
既に学会発表についてはアクセプトされているため,平成29年度に使用する予定である。また,それに基づき英語での論文も平成29年度中に行う予定である。
|
Research Products
(2 results)