2017 Fiscal Year Annual Research Report
The mechanism and performance of product proliferation in Japanese cosmetic industry
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15K17153
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Research Institution | Shujitsu University |
Principal Investigator |
櫻木 理江 就実大学, 経営学部, 講師 (10707095)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 製品戦略 / ブランド志向 / 製品増殖 / 流通チャネル / マーケティング |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度までの文献調査やインタビュー調査を通じて,製品増殖が成果に結びつかない背景には,大きく分けて2つのメカニズムが存在していることが明らかになった。第一に,製品増殖の意思決定自体が合理的に行われない場合,第二に,事前には一定の合理性が認められた上で製品増殖の意思決定が行われた場合であっても, 製品開発や販売の段階における部門間での志向性の違いやパワーのインバランスが成果に不の影響を与える場合である。 最終年度には,大きく分けて2つの作業を行った。第一に,先述した第二のメカニズムについて,ブランド志向性(brand orientation)との関連性を検討した。既存研究においては,ブランド志向は顧客や従業員など組織内外のステークホルダーとの強力な関係をサポートするものとしてブランドが位置づけられ,策定されたブランド戦略を適切に実行する上でも,ブランド志向が重要な役割を与えると考えられている。したがって,ブランド志向性が強い組織ほど製品増殖によって正の影響があり,それが弱い組織ほど製品増殖に成果が伴わないと考えられる。また,ブランド志向にはコーポレート・ブランド志向とプロダクト・ブランド志向があり,とりわけ製品増殖と成果の関係には,プロダクト・ブランド志向の影響が大きいと考えられる。 第二に,POSデータを用いて2000年から2010年までの化粧品業界における各企業の製品増殖と成果の関係を分析した。その結果,製品増加率と売上高の間に有意な正の相関が確認された。しかしながら,POSデータの性質上,各社の製品ポートフォリオ内のすべての製品が含まれていないこと,また,特定のチャネルのみで得られた売上高である点については解釈の際に注意が必要である。原因変数として含めるべき他の変数については,10年間の時系列で得られる情報がなく,含められなかった。これらは今後の課題である。
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Research Products
(2 results)