2017 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
15K17194
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Research Institution | Shibaura Institute of Technology |
Principal Investigator |
武藤 正義 芝浦工業大学, システム理工学部, 准教授 (00553231)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 権力生成状況 / チキンゲーム / 非対角均衡 / 対称ゲーム / 集団間競争 |
Outline of Annual Research Achievements |
具体的な権力メカニズムには制裁権力や規律権力などがあるが、初年度では、競争権力メカニズムを組織におけるゲームとしてモデル化した。次年度では、ウェーバーの権力概念を手掛かりに、逆に、抽象的な非対称性から出発し、(対称ゲームにおける)格差のある非対角均衡として権力現象を位置づけた。今年度では、この格差のある実効的な非対角均衡のみを均衡としてもつ狭義権力生成状況や非対角均衡を単に均衡に含む広義権力生成状況が存在する確率をシミュレーションによって明らかにした(江木・武藤2018)。その結果、4戦略以上の対称2人ゲームにおいて、前者は2割強、後者は約4割に上ることが判明した。 また、以上の研究を発展させ、二集団間の競争状況下において、集団に所属する人びとが、集団間競争により協力させられ権力が生成・強化されていくメカニズムをモデル化し、それが実現する条件を明らかにした(武藤2018)。具体的には、個人利得が、①集団人口に比例し、②集団成員の協力によって増加し(ただし限界協力効果は逓減)、③競争性と競争過当性に依存するとき、 ・競争過当性 < 生産性 < 協力コスト (収束性と非競争非協力) ・競争性-競争過当性 < 協力コスト < 競争性+生産性 をみたせば、チキンゲームとしての権力生成状況(武藤2017)が成立する。文献は以下: *江木悠,武藤正義,2018,「純粋ナッシュ均衡による対称2人ゲーム分類と存在確率」,第65回数理社会学会大会(成蹊大学),3月14日-15日. *武藤正義,2018,「集団間競争による集団内権力の成立条件」,第65回数理社会学会大会(成蹊大学),3月14日-15日.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究開始時に念頭においていた集団間競争を通じて権力が生成するメカニズムのモデルを構築することができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画に沿って推進する。
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Causes of Carryover |
次年度に国際会議等での発表や研究打ち合わせ等による海外出張が複数ある可能性があるため、次年度に移しました。
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Research Products
(2 results)