2016 Fiscal Year Research-status Report
認知症高齢者グループホーム選択までの過程とその選択基準
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15K17226
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Research Institution | Teisei Gakuen Junior College |
Principal Investigator |
辻 泰代 貞静学園短期大学, 専攻科介護福祉専攻, 講師 (20611388)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | グループホーム / 選択基準 / リロケーションダメージ / 認知症 / 高齢者福祉 |
Outline of Annual Research Achievements |
<研究目的>認知症高齢者にとって、住まいの場を移すことは、環境変化に伴う不適応状態(リロケーションダメージ)を生じやすくすると言われている。本研究では、グループホームに入居後もその人らしい生活を継続するために、利用者はどのように入居先を選択し、どのような生活を望んでいるのか、利用者側の声から実態を明らかにしようとする研究である。また、グループホームの職員側からも、利用者がグループホームを選択する際に考えられる基準や、利用者が望むグループホームのあり方について、現状の取り組みから明らかにする。 <研究方法>対象者は、①グループホームの入居者、②グループホームの入居者の家族介護者、③グループホームの施設長、④グループホームの介護職員の4者である。半構造化面接法による個室での個別ヒアリング調査を実施した。 <今年度実績>関東にある2箇所のグループホームにおいて、上記①4名、②2名、③2名、④2名を対象にヒアリング調査を実施した。入居者は、入居を知らされず見学もせず入居した方と、事前に見学し納得はしていないが入居に至った方がいた。家族介護者は、見学時に施設の雰囲気や他入居者の様子、職員の対応、面会のしやすさなどの立地条件、金銭面などを選択基準としていた。一方、施設長や介護職員側からは、施設の雰囲気や他入居者の様子、職員の対応、金銭面に加え、居室環境、入浴の頻度や設備、医療が必要になった場合の対応などが選択基準なのではないかという考えが聞かれた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
初年度は、所属研究機関の変更と研究開始年度が重なり、エフォートが当初の見積もりよりも少ない状況となり、外出してヒアリング調査を実施することが難しかった。今年度は調査を実施することができたが、入居後間もない新規入居利用者を対象にしているため、空床のないグループホームや入居予定のないグループホームには依頼できず、対象施設の確保が難しく、前年度の遅れを取り戻すには至らなかった。研究期間を1年延長することが承認され、次年度も追加でデータを収集予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度が研究最終年度にあたるため、ヒアリング調査対象施設の確保に努める。
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Causes of Carryover |
調査対象データをさらに確保するため、研究期間を1年間延長することとしたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
調査対象者への謝礼、調査交通費、逐語録の作成費用など、研究費を有効かつ適正に執行していく。
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