2017 Fiscal Year Research-status Report
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15K17231
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Research Institution | Chikushi Jogakuen University |
Principal Investigator |
金 圓景 筑紫女学園大学, 人間科学部, 講師 (40635182)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 認知症 / 家族介護者 / 家族支援 / 介護キャリアプロセス / ソーシャルワーカー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、日韓比較研究を通して、地域における認知症の家族支援システムを構築することを目的に、日韓において(研究①)認知症の家族調査、(研究②)ソーシャルワーカー調査、(研究③)地域住民調査を実施している。 研究①では、日韓のシングル介護者、男性介護者などの属性別の事例検討を通して、家族介護者が抱えている課題と必要な支援内容について検討し、その成果の一部を学会報告・論文投稿した。その一つとである「韓国認知症家族の介護生活の現状と課題について」の論文が月刊ゆたかなくらしの2017年度上期推奨論文として選ばれた。 また、研究②では、日韓の家族支援に携わっているソーシャルワーカーへの調査を進め、分析作業に取り組んでいる。日本では、地域包括支援センターと社会福祉協議会の専門職に、韓国では総合社会福祉館及び認知症支援センターの専門職員に調査を行った。今後、各国の全国的な家族支援活動の取り組みと各地域による違い、それによって異なるソーシャルワーカーの活動内容について分析していく予定である。しかしながら、韓国の政権交代と合わせて、認知症支援政策がダイナミックに動いている中、最新の動向に合わせた検討が必要なため、今年度も引き続き資料収集を含め追加調査を実施する予定である。 最後に、研究③の地域住民調査では、介護を終えた家族が主体となり、行っている認知症の家族支援活動について日本を中心に調査を行い、分析作業を進めている。今後、これらの調査結果から韓国にも示唆を与えることができると考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
上記の3つの研究をそれぞれ進めてきており、研究①については既に複数の学会などえその成果を報告してきた。しかし、研究②及び研究③については、調査結果のまとめがまだ進んでおらず、成果報告が充分にできていない。とくに研究②のソーシャルワーカーへの調査は、急変している韓国の認知症支援政策の実態把握に時間がかかっており、結果分析に時間がかかっているため、やや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、これまでの調査成果報告の一部として、認知症の人と家族支援システム構築に向けたシンポジウムを開催する予定である。また、日本認知症ケア学会及び社会福祉学会でその成果を報告していく予定である。
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Causes of Carryover |
前年度、実施した調査データのテープ起こしの一部を直接行ったため、前年度の助成金が少し余ることになった。これらの助成金は、今年度、開催するシンポジウムの諸費用として使用する予定である。
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