2016 Fiscal Year Research-status Report
SSWによる軽度知的障害、発達障害児・者へのひきこもり予防支援方法論の構築
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15K17239
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Research Institution | Osaka University of Human Sciences |
Principal Investigator |
山中 徹二 大阪人間科学大学, 人間科学部, 助教 (90712430)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ソーシャルワーク / 軽度知的障害 / ひきこもり / 予防支援 / 学校 |
Outline of Annual Research Achievements |
①ひきこもり支援を行っている支援者の調査研究では、ソーシャルワークによる早期のひきこもりの予防支援を展開する上で、子ども本人や保護者の障害認識と障害受容への視点をもつことの重要性が明らかとなった。子ども本人や保護者の障害認識や障害受容を支える関わりが、将来の子どものひきこもりなどの社会的排除を予防する意義は大きい。そして、保護者が子どもの障害と向き合うことのできる生活状況かどうかも重要になる。「障害」だけに目を向けた支援だけではなく、ソーシャルワークの視点が有効である。また、必要な支援につなげていくためには、学校内だけでの対応に終始するのではなく、学校外部の支援機関等との連携を模索する必要があり、それらは子どもの次の進路先をも視野に入れたものである必要がある。また、様々な状況の子どもがいる中で、支援ネットワークや地域との連携の中から学校現場の多様性の確保を目指すことが求められる。 ②スクールソーシャルワーカー(SSW)へのインタビュー調査研究では、①の内容を学校内で学校教職員と共に取り組んでいる実践があった。また拠点校で継続してSSWが活動することで、本人そして保護者への障害受容や障害認識を支え、子どもたちの今後の自立に結びつく活動が展開されている。そして特に高等学校では他機関との連携が盛んに行われている。これは卒業後の就労も含めた社会の居場所づくりへの早期からの対応である。高校卒業後、大学以外の「学校」という居場所が無くなることから、社会での居場所づくりを目指して入学当初から積極的に実施している実態があった。しかし中学校との連携に課題がある。必要な情報の引継ぎがされないこともあり、個人情報の扱いに注意しつつ連携を深めていくことが、軽度知的障害やその可能性のある子どものひきこもりなどの社会的排除を予防するには特に求められる事柄である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成27年度28年度調査研究において、その結果等含め学会誌への論文投稿の準備を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究では支援者を中心に調査研究を行ってきた。今後はアメリカ合衆国等での障害児やその家族へのソーシャルワークの支援のあり方を文献研究からまとめる。また、これまでの調査研究をまとめ学会誌への投稿を行う。その過程で必要性が現れれば補足的な再調査を実施する。
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Causes of Carryover |
インタビュー調査の実施が近畿圏内中心にできたことから、旅費の支出が抑えられた。このことから差額が多く発生した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
29年度は補足的なインタビュー調査の必要性がでてくることから、その際の必要な支出に充てたい。また、アメリカ合衆国での取り組みを文献を基に調査することから、その購入費に充てる。
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