2015 Fiscal Year Research-status Report
療育に携わる専門家と大学生の研修・教育プログラムの開発-CBRの視点から-
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15K17242
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Research Institution | Kagoshima Immaculate Heart University |
Principal Investigator |
有村 玲香 鹿児島純心女子大学, 国際人間学部, 講師 (20713689)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 療育 / CBR / 就業前教育 / 就業後教育 / 行動分析 / 保育実践演習 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の特色・独創性は、3点ある。1点目は、CBRの視点に基づき「社会資源の戦略的運用」と「既存の社会資源の再評価・再活用」によってプログラム開発に取り組んでいくことである。2点目は、療育の専門家(児童発達支援事業所職員)と大学生用の就業前・後に一貫性を持たせた研修・教育プログラムの作成を目指しているところである。3点目は、療育の専門家(児童発達支援事業所職員)と大学生において、簡略化された行動分析の実践者が養成できることにある。 本年度は、既存の教師研修プログラムを手がかりにして、療育の専門家用の研修プログラム全5回と、大学生用の就業前教育プログラム全9回を実施した。また、本研究の特色・独創性のCBRの視点に基づいたプログラム開発を行うために、アイスランド・フランスの諸外国におけるインクルーシブ教育や専門職の養成等について、視察・調査を行った。 療育に携わる専門家用の研修プログラムは、1月~3月にかけて実施した。対象は、A地区の自立支援協議会の子ども部会に所属する療育に携わる専門職(保健師,保育士,医師,OT,臨床心理士,歯科衛生士,社会福祉士,教師)9職種12名として、「行動分析を駆使した対応スキル」を獲得するためのトレーニングを実施した。 同時に、大学生用の就業前教育プログラムは、4月~5月にかけて実施した。対象は、研究代表者が所属するB大学において保育士養成課程の「保育実践演習」の受講生37名とし、授業内で「子どもの行動への支援スキル」を獲得するために簡略化された行動分析を学習する内容を実施した。 上記の2つのプログラムの研究成果として、「療育に携わる専門家」と「大学生」のプログラム内容の改良点と課題を抽出のための分析を実施中である。今後、学会等を通じて成果の発表を行っていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、研究1年目で「教師用」を基に「療育に携わる専門職」と「大学生」用の「簡略化された行動分析」を取り入れたプログラムをグループワーク、ワークショップ、ホームワークの3形態で学習し、インシデント・プロセス法を用いて実施した。そこからプログラム内容の改良点と課題、また企画・運営に必要な実施者側の課題を抽出する段階まで進捗した。さらに、諸外国におけるインクルーシブ教育の実情を視察したことにより、社会資源が乏しい地域においても活用できる研修・教育プログラムの開発を検討する際に「支援者を支援する」「地域でできることは、地域で行う」システム構築と実践を意識した展開となった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、新しい2つのプログラムのプレ実施と参加者への影響を評価する。そこからプログラムの修正点や課題点を抽出し、プログラムの最適化を図る。
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Causes of Carryover |
今年度は、海外への視察・調査のため旅費にかかる経費が予定より多かった。そのため、物品購入を控えたため次年度への繰り越し金が発生した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
前年度の繰り越し金は、物品購入に充てる。
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