2018 Fiscal Year Annual Research Report
Development of community organization management methods that contribute to sustainability and diversity of citizen participation
Project/Area Number |
15K17256
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Research Institution | Rissho University |
Principal Investigator |
高橋 尚也 立正大学, 心理学部, 准教授 (10581374)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | Adultism / 若者 / 市民参加 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度の研究目的は、市民参加の持続性と多様性をもたらすコミュニティ組織運営手法として、Adultismに注目し、シナリオ提示によるAdultismの認知と変化可能性について検討し、組織運営手法を提案することであった。地域活動参加者と不参加者各200名に対しWEB調査を実施した。Adulismを含んだ3シナリオを提示し、その中の大人の適切性、若者尊重度、若者期待度、若者受容度、若者対等共有度を測定した。その結果、地域内活動組織数、地域愛着、近所づきあい、自治体への関心・満足感・効力感の6変数と、3シナリオの各評価(大人の適切性、若者尊重度、若者期待度、若者受容度、若者対等共有度)との間にすべて正の有意な相関が得られた。つまり、前述の6変数が高いほど、Adultismを検出できていないという関係が明らかとなった。年齢によるAdultism認知の差は見られなかった。この結果から、地域活動関与者の多様性を阻む要因についていくつかの示唆が得られる。第1は現在の日本における地域活動が大人中心で、若者の入り込む余地が少ない(若者が分離されている)可能性である。第2は地域活動者が若者に対する期待していない可能性である。 本年度の研究によって、Adultism認知や評価を手掛かりにすることの有効性が示されたと考えられる。今後は、組織運営を改善する手法として、Adultismシナリオと非Adultismシナリオの評価の差を元に、Adultismの検出力の鈍さに注目し、Adultismに対する反応の鈍い層の心理社会的特徴を明らかにすることを通して、市民参加の多様性につながる組織運営手法を考案していくこととする。
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