2017 Fiscal Year Annual Research Report
Collective intelligence and synchrony among group members
Project/Area Number |
15K17259
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Research Institution | Osaka University of Economics |
Principal Investigator |
藤原 健 大阪経済大学, 人間科学部, 講師 (00707010)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 身体的同調 / 非言語行動 / 対人コミュニケーション / 周波数解析 / ウェーブレット変換 / 小集団会話 / 合奏 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,集団の知的生産性の向上を予測する集団的知性(collective intelligence)の機序をコミュニケーション特徴の視点から明らかにすることであった。最終年度である平成29年度は,主にはこれまでの成果をまとめ,公表するために費やした。具体的には,会話時の身体的同調の予測因として話者の感情状態(の差異)が重要となること(Fujiwara & Daibo, in press; Quarterly Journal of Experimental Psychology)や,3人集団でブレインストーミングを実施した際には,身体的同調が生じた方が課題後の満足感が低下すること(Fujiwara, 2018; IEICE Technical Report)などを公表した。 また平成29年度は,集団の生産性を異なる観点から検討する目的で,プロの演奏者による合奏時の研究にも加わった。そこでは,演奏者間に身体的同調が生じた方が演奏のパフォーマンスが向上する可能性があること(藤原・伊藤・高嶋・續・増山・尾上, 審査中)や,演奏者間に生じた「他演者に対する意識」が身体的同調に先行して生じること(藤原・伊藤・高嶋, 2017, 日本心理学会第81回大会)を明らかにした。 集団の(知的)生産性を予測するうえで身体的同調が達成されるだけでは不十分であることや,身体的同調に先行する要因について,その可能性を指摘できたことが平成29年度の成果であったといえる。 さらに,University of California, Santa Barbara 校の Norah Dunbar教授の研究プロジェクトにも加わった。当該プロジェクトでは,本研究で提案した身体的同調の測定指標を用いることで,話者同士が会話への関与を高めることで身体的な同調を示すことを定量的に明らかにすることができた。当該データについてはすでに国際誌への投稿も完了した。また,今後の研究についても継続して参画して共同研究として展開することも約束できているため,本研究の成果は今後さらなる国際展開へとつながっていくことが期待される。
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