2016 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
15K17260
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Research Institution | Kobe Gakuin University |
Principal Investigator |
毛 新華 神戸学院大学, 人文学部, 講師 (90506958)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 文化適応 / 社会的スキル / 在中国の日本人 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は「社会的スキル」という観点から、在中国の日本人の中国文化適応について検討することを目的としている。研究実行の2年目に、二つの作業を実行した。①1年目に引き続き、日本人大学生を対象とする会話実験の映像に字幕を植え付ける作業と映像に対する日中両国の大学生による観察実験を完成した。そして、研究計画書の通り、②在中国の日本人の中国社会における「中国人との対人関係の形成」に関する問題点の整理を行った。 上記の①については、現在データを入力・整理をしている最中であるため、結果の報告ができない。 一方、②については、2016年9月に、調査会社(イプソス社)を通して、中国の大連、北京、上海、広州の4都市にいる在中国の日本人53名(男性36名、女性17名;平均年齢:41.4±11.64歳)を対象に、中国での対人関係について、自由記述調査を行った。具体的に、4つの質問、「中国人は日本人と異なっている」と感じる点、中国人が困らせた点、中国人の対人関係の「特徴」、そして、中国人との対人関係をスムーズにする行動、を設定した。その他、フェースシート項目として、回答者に、性別、年齢、日本の出身地、中国での滞在身分、滞在都市、滞在年数、中国人に接している年数、中国人の友達の有無についても回答を求めた。 得られた回答については、フェースシート項目は基本集計を行い、自由記述項目については、中国人の大学教員1名(社会心理学専攻、在日年数20年)と日本人の大学教員1名(社会心理学専攻)、そして中国人大学院生1名 (社会心理学専攻,来日年数3年)によって、KJ法(川喜田, 1986) で整理した。その結果、気質・性格的側面、対人的側面、そして仕事的側面の三つの大きなカテゴリーを得ることができた。今後、整理できたカテゴリーに基づき、尺度の作成とトレーニングのプログラムを考案する必要性がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度の研究計画は、研究計画書と照らしあせて、やや遅れているといえる。 「研究実績の概要」に記述したように、会話映像に字幕を植え付ける作業が1年目に続いて行った。しかし、膨大な作業量があったため、時間を多くかかった。それに伴って、観察実験の実行もやや遅れることになっている。 また、在中国の日本人の中国社会における「中国人との対人関係の形成」に関する問題点の整理に関する研究では、自由記述調査しか実行していなく、適用項目リストの尺度化作業に時間の捻出ができていなく、まだ行われていない。
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Strategy for Future Research Activity |
まず、やや遅れている作業を取り戻します。具体的には、日本人学生の会話映像に対する観察実験のデータ分析を行い、中国人学生の視点および日本人学生の視点から結果をまとめる。 そして、2年目に実施した「在中国の日本人の中国社会適応の問題点の整理」に関する調査でまとめられた結果に基づき、項目をまとめ、調査を通して、適応の問題点の因子構造を探索的に抽出する。 さらに、上記の因子構造を参考に、在中国の日本人を対象とする適応のトレーニングのプログラムを考案し、実際に実施する手続きを取る。
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Causes of Carryover |
一部の調査が完成しなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
調査を実施し、残額を使用する。
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