2016 Fiscal Year Research-status Report
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15K17266
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
一柳 智紀 新潟大学, 人文社会・教育科学系, 准教授 (30612874)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 小グループ / 即興的思考 / 実践知 |
Outline of Annual Research Achievements |
第1に、小グループでの学習時における教師による学習者への働きかけにはどのような特徴があるのか、小グループでの学習時における教師の即興的思考にはどのような特徴があるのかを明らかにするために、前年度から継続してデータ収集を行なった。具体的には、授業観察及び授業についての半構造化面接を3名の教師(小学校2名、中学校1名)を対象に実施した。 第2に、昨年度収集したデータのうち4名の教師のデータを分析し、小グループでの学習時における教師の即興的思考にはどのような特徴があるのかを、勤務校の文化(研究主題、授業検討の仕方等)や勤務年数、小グループでの学習の経験年数による違いから比較検討した。その結果、勤務年数が同じでも勤務校により即興的思考の特徴が異なることから勤務校の文化が影響していること、小グループでの学習の経験年数が多い教師のほうが、状況に応じて授業展開を変更する判断を行なっていることが示された。これらの知見は、日本教育心理学会第58回総会において発表された 第3に、縦断的に小グループでの学習時における教師による学習者への働きかけおよび即興的思考の特徴を検討することで、小グループでの学習に関して,教師がどのような実践知をどのように形成していくのかを明らかにするために、上記3名の教師のうち小学校教師1名に対して、2回の追加調査を行なった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定どおり、本年度は小グループでの学習時における教師による学習者への働きかけにはどのような特徴があるのか、小グループでの学習時における教師の即興的思考にはどのような特徴があるのかを明らかにするために、年間にわたりデータ収集を行うことができた。さらには、その一部を成果としてまとめることができた。加えて、次年度以降のためのフィールドとのラポールも十分に形成することができ、観察が可能な状態となっている。以上のことから、おおむね順調に進展していると捉えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
まず、継続的にデータ収集を行う。 次に、収集したデータを順次分析していき、研究知見をまとめていく。 さらに、小グループでの学習に関して、教師がどのような実践知をどのように形成していくのかを明らかにするために、今年度継続的に観察を行なった小学校教師を対象に、継続的に調査を行う。
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Causes of Carryover |
他の業務との兼ね合いで学会発表をする機会が少なくなってしまったため、旅費の使用が少なくなった。また、補助業務(データ整理)を依頼する補助者を確保することができなかったため、人件費を使用できなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
すでに国際学会での発表を予定している。また、その他においても計画的に学会等での発表を行う予定である。また、早期に補助業務を依頼する補助者を確保する。
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Research Products
(2 results)