2019 Fiscal Year Annual Research Report
Relationship between developmental changes in hypersensitive narcissism and attachment style in adolescence
Project/Area Number |
15K17268
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Research Institution | Hijiyama University |
Principal Investigator |
神谷 真由美 比治山大学, 現代文化学部, 講師 (70710078)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 青年期 / 自己愛 / 愛着 |
Outline of Annual Research Achievements |
過敏型自己愛傾向の変容と愛着スタイルの関連を実証的に検討することを目的とした。中学生,高校生,大学生を対象に2回の質問紙調査を行った。調査内容は,過敏型自己愛傾向を測定する自己愛的脆弱性尺度短縮版 (上地・宮下,2009;以下NVS短縮版) ,愛着スタイルを測定する愛着パターン尺度 (上地他,2015) を用いた。 分析は中学生295名,高校生137名,大学生123名 の計555名のデータを用いた。まず過敏型自己愛傾向の変容による群分けを行った。Time 2のNVS短縮版合計点からTime 1のNVS短縮版合計点を引いた値を過敏型自己愛傾向変化量とした。過敏型自己愛傾向変化量がM-0.5SDより小さい者を改善群,M±0.5SD以内の者を変化なし群,M+0.5SDより大きい者を悪化群とした。 次に愛着パターン尺度の3下位尺度について,Time 2の得点からTime 1の得点を引いた値をそれぞれアンビヴァレント型変化量,安定型変化量,回避型変化量とした。3群を独立変数,愛着スタイル変化量を従属変数とした1要因分散分析を行った。その結果,アンビヴァレント型変化量で有意差が認められ (F (2, 552) =14.97, p<.01),回避型変化量で有意傾向がみられた (F (2, 552) =2.63, p<.10)。多重比較の結果,アンビヴァレント型変化量は,改善群が変化なし群と悪化群より得点が低かった。回避型変化量では,改善群が悪化群より低い傾向がみられた。 これより,過敏型自己愛傾向が改善した者は,不安定な愛着の得点が減少しており,特にアンビヴァレント得点が減少している。これより青年期の過敏型自己愛傾向の改善には,対人関係におけるアンビヴァレントな考え方や感情に焦点を当てていく必要があると示唆される。
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Research Products
(2 results)