2015 Fiscal Year Research-status Report
二次障害を持つ成人の自閉スペクトラム症に対するスキーマ療法の実証的効果研究
Project/Area Number |
15K17290
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
大島 郁葉 千葉大学, 子どものこころの発達教育研究センター, 日本学術振興会特別研究員(PD) (40625472)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 自閉スペクトラム症 / スキーマ療法 / 認知行動療法 / 二次障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究においては、まず、スキーマ療法の中核的概念である早期不適応的スキーマにおいて、Young Schema Questionnaire の日本語版標準化を行った。英語版のバックトランスレーションを行ったあとに、1200人を対象として、日本語版の信頼性、妥当性を確認した。本研究は現在、英文論文化中である。 さらに、研究者の大島は国際スキーマ療法士・自閉症診断インタビュー(ADI-R)の研究ライセンスのトレーニングを2年間に渡り数回、渡米して訓練をうけ、国際スキーマ療法士は3月に、自閉症診断インタービューの研究ライセンスは去年の11月に資格を得ることができた。とくに国際スキーマ療法士の認定が、日本人としては初めてであった。これにより介入研究のクオリティが担保しやすくなった。 今年度の臨床介入研究の参加者は5名であり、昨年と併せると、全体で12名であった。引越しや就職で中断したものは3名いた。脱落者は1名であった。 平均で35回のスキーマ療法セッションを行い、それぞれに不安抑うつ症状の改善が認められた。治療を受けた全員に、日常生活の適応感の向上が認められた。また、ポジティブ感情の増幅も認められた。 研究の成果は、今年度のworld congress of behavioral and cognitive therapies 2016にて発表予定である。さらに症例を集めたうえで、英文論文に投稿予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究協力者のリクルートが難航している。また、研究協力者の引越し等で、物理的にセッションが中断になってしまった例があり、N数が集まりにくかった。
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Strategy for Future Research Activity |
研究協力者のリクルートをするにあたり、研究所のウェブページを利用する。また、複数の機関にリクルートを依頼する。
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Causes of Carryover |
今年度はもう一つの科研費を使用することがあったため、その研究に重複した研修等は本科研費を使用しなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今後は、国際学会や国内学会、研修に使用する。
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