2017 Fiscal Year Research-status Report
85歳以上の超高齢者を対象とした簡便な認知機能スクリーニング検査法の開発
Project/Area Number |
15K17301
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
加藤 佑佳 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (60729268)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 超高齢者 / 85歳以上 / 神経心理検査 / スクリーニング / 認知機能 / 認知症 |
Outline of Annual Research Achievements |
本課題では、85歳以上の超高齢者の認知機能の実態を明らかにし、さらに、簡便に認知症・非認知症を鑑別することが可能な認知機能スクリーニング検査法を開発することを目的とし、①健常高齢者のうち85歳以上の者(超高齢健常群)、②健常高齢者のうち65歳以上85歳未満の者(前期・後期高齢健常群)、③認知症患者のうち85歳以上の者(超高齢認知症群)の3群を対象に、各種認知機能検査(MMSE、CDT、ADAS-J cog,、リバーミード行動記憶検査、言語流暢性検査)や精神症状評価(GDS、孤独感尺度)、日常生活動作(ADL、IADL、JST式活動能力指標)などのデータを収集している。 平成29年度は、データ収集を迅速化させるために、協力機関の追加として申請していた軽微な変更点に関して、京都府立医科大学医学倫理審査委員会での承認を受け、データ収集を再開した。協力機関からのデータ提供も含めると、①超高齢健常群8名、②前期・後期高齢健常群43名、③超高齢認知症群13名、計64名のデータを収集した。 また、85歳以上の超高齢者における認知機能の特徴について先行研究をレビューし、総説にまとめて論文化した。レビューした結果では、超高齢者では、加齢の影響によって作業速度や近時記憶が低下しやすい一方、言語機能は保たれやすいという見解でおおむね一致している。また、記憶の中でも単語再認は比較的保たれやすく、超高齢者でも手がかりの利用による効果は維持されやすいと考えられる。ただし、超高齢者は検査施行時の気分状態などによって認知機能検査の結果が変動しやすいことも指摘されており、認知機能に影響を与える要因についても十分配慮する必要が考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
85歳以上の超高齢健常群のリクルートに難渋している。平成29年度後半からは健常高齢ボランティアのリクルートを加速させるために、京都市内で実施責任者及び実施担当者らが行う市民対象の認知症講義を開催した際に研究協力の呼びかけを行い、徐々に協力の申し込みが増えていることから、次年度も引き続き呼びかけを続ける予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
超高齢健常群のリクルートを推進するためにも、引き続き京都市内での研究協力の呼びかけを行うとともに、各区への依頼なども検討する。次年度は、超高齢健常群30名、前期・後期高齢健常群50名、超高齢認知症群30名を予定している。
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Causes of Carryover |
(理由)本課題の初年度である平成27年度に、出産に伴う産前産後休暇及び育児休暇を取得していたことから、初年度に予定していた分のデータ収集に伴う経費を使用しきれず、次年度使用額が生じた。
(使用計画)補助事業期間として平成30年度も引き続きデータ収集を行うため、研究協力者への謝金として使用する。
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