2015 Fiscal Year Research-status Report
否定的な反復性思考にまつわる個人的目標間の葛藤が心理的ストレスに及ぼす影響性
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15K17309
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
金築 優 法政大学, 現代福祉学部, 准教授 (90454082)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 心配 / 個人的目標 / 葛藤 / 心理的ストレス / 知覚制御理論 / 認知行動療法 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度は、知覚制御理論(Powers, 2005)の観点から、心配が心理的ストレスにつながるのは、心配にまつわる個人的目標間の葛藤が影響しているためであるという仮説を検証するため、2つの調査を行った。 1つ目の調査では、心配にまつわる個人的目標を調べるために、まず心配の定義を示した上で、最近経験した心配な出来事の内容の記述を求めた。その後、心配する理由及び心配しない理由について、それらの重要度の評定を求めることによって、心配にまつわる個人的目標間の葛藤を間接的に測定することを試みた。大学生124名のデータの分析結果からは、心配にまつわる個人的目標間の葛藤が心理的ストレスに与える直接的な影響を見出すことはできなかったが、心配自体が個人的目標を阻害している度合いが、心理的ストレスにつながっていることが示唆された。 2つ目の調査では、1つ目の調査結果を踏まえ、新たに日常生活において持っている重要な個人的目標を記述してもらった上で、心配自体が個人的目標を阻害している度合いをより詳細に測定することを試みた。本調査では、平成27年度中に大学生141名のデータを収集した。 以上の調査からは、心配と心理的ストレスの関連を検討する上で、個人的目標に着目することが重要であることが示唆された。ただし、個人的目標間の葛藤の測定方法に改善の余地がある。平成28年度は、個人的目標間の葛藤の測定を多面的に行い、心配にまつわる葛藤をより明確に捉えた上で、心配と心理的ストレスの関連を検討する必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
心配にまつわる個人的目標間の葛藤を検討する調査を2種類実施することが出来て、調査結果から、個人的目標に着目することの重要性が確認されたため。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度は、平成27年度に実施した2種類の調査結果の学会発表及び論文投稿を予定している。また、平成28年度は、平成27年度の調査で採用した測定法とは別の測定法によって、心配にまつわる個人的目標間の葛藤を捉え、心配と心理的ストレスの関連性をより詳細に検討することを予定している。
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Causes of Carryover |
当初参加を予定していた国際学会に、スケジュールの都合により、参加が出来ず、旅費の申請を行わなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
昨年度使用予定であった旅費の申請を、今年度の研究成果発表のための学会出張に充てる予定である。
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Research Products
(4 results)