2017 Fiscal Year Research-status Report
難病患者・家族のQOLに関するフィードバック面接の試み
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15K17316
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Research Institution | Kyushu Lutheran College |
Principal Investigator |
石坂 昌子 九州ルーテル学院大学, 人文学部, 准教授 (70644821)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 難病 / QOL / 家族支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度では、引き続き、(1)難病患者のQOL(Quality of Life)の実態把握:SEIQoL-DW(O'Boyle et al,1995)実施、(2)難病患者のQOLに関する患者自身と家族による評価の比較検討を進めた。また、(3)難病患者・家族へのフィードバック面接の分析を実施した。さらに、当初の計画には含まれていないが平成28年度から実施している他の疾患患者も対象にして(1)~(3)を実施した。その結果、他の疾患患者も難病患者同様に、QOLに関する患者自身と家族による評価の比較検討をふまえたフィードバック面接は、患者の自己理解や家族との相互理解を促進する可能性が推察された。ただし、計画していた難病患者・家族へのフィードバック面接の専門家による内容・有効性の検討が実施できなかったので、他の疾患患者との比較も再検討が必要である。 今年度の計画として掲げていた、前年度より遅れを生じている対象者の確保は事例の蓄積に努め、研究補助によるデータ整理及び学会発表を実施した。学会発表は、他の疾患患者を対象とした分析の一部についてであり、重度肢体不自由者の大学生のQOLをテーマごとにまとめ、SEIQoL-DWを通しての縦断的な心理社会的変化を検討した。その結果、「家族」、「友達」、「学び・挑戦」、「支え・つながり」、「感謝」の5つのテーマが見い出され、各テーマのレベルと重み付けの変化について、対象者の大学生活にそって分析した。課題としては、大学卒業後の縦断的な変化の検討、他の疾患や発達段階との比較や事例の蓄積などが挙げられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
平成29年度の途中より産前産後の休暇及び育児休業の取得に伴い、研究を中断することとなった。そのため、計画をしていた調査・面接を延期したり、学会発表を中止したり、難病患者・家族へのフィードバック面接の専門家による内容・有効性の検討や論文投稿を実施できなかったりした。
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Strategy for Future Research Activity |
研究期間の延長を申請し、平成31年度より研究を再開する予定である。引き続き事例の蓄積と研究補助によるデータ整理、加えて、難病患者・家族へのフィードバック面接の専門家による内容・有効性の検討、学会発表及び論文投稿を計画している。
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Causes of Carryover |
平成29年度は、途中より産前産後の休暇及び育児休業を取得したため、研究を中断した。そのため、調査・面接の実施に遅れが生じ、国内外の学会参加・発表を中止することとなった。また、専門家によるフィードバック面接の内容・有効性の検討や論文投稿も実施できなかった。 今後は、研究期間を延長し、平成31年度から再開することとし、調査・面接の実施を通しての事例の蓄積、研究補助によるデータ整理、専門家によるフィードバック面接の内容・有効性の検討、学会発表及び論文投稿も実施する予定である。また、研究環境整備のための機材や解析ソフト、図書等の購入も必要に応じて検討する。
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Research Products
(1 results)