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2016 Fiscal Year Research-status Report

国民の取調べに対する評価とその影響要因の検討

Research Project

Project/Area Number 15K17317
Research InstitutionNational Research Institute of Police Science

Principal Investigator

和智 妙子  科学警察研究所, 犯罪行動科学部, 主任研究官 (30415442)

Project Period (FY) 2015-04-01 – 2018-03-31
Keywords取調べ / 国民の意見 / 発問方法 / 知的障害
Outline of Annual Research Achievements

一般国民の取調べの評価を検討した研究は少なく、特に取調べ官の発問方法に着目して検討している研究は私の知る限り存在しないため、本研究では一般国民が取調べにおける発問方法をどのように評価するか、またその有罪判決への影響を検討した。その際、被告人の知的障害の有無も検討した。
本年度は、昨年度実施した予備調査を分析した結果を基に調査票を修正し、インターネット調査会社を通じて一般国民を対象に調査を実施した。調査票は大きく、架空の放火事件に関する取調べに関する質問と一般的な取調べ手法に関する質問の2つからなっている。前者は、被告人の特徴、事件の概要と取調べのスクリプト(取調べ官と被疑者のやりとりを描写したもの)からなっており、被告人の知的障害の有無と取調べ手法の良し悪し(発問方法が異なる)で4パターン作成した。各参加者は4パターンのうちの1つの取調べのスクリプトを読んで回答した。後者は参加者全員が同じ質問に回答した。本年度は主として前者の回答を分析した。
調査に参加した参加者のうち、裁判員となりうる条件を満たす841名の回答を分析した。参加者の平均年齢は44.96歳(SD = 13.72)であった。分散分析の結果、心理学的に良いと言われている発問方法からなる取調べを読んだ参加者の方が、そうでない参加者よりも、取調べをより適正で威圧的ではないとみなし、自白をより信用でき、真実の自白であるとみなしていた。また、被告人に知的障害があると提示された参加者の方が、取調べを威圧的であり、自白は信用できず、真実の自白ではないとみなす傾向が高かった。有罪判決に関しては、被告人に知的障害がなくかつ心理学的に良い取調べのスクリプトを読んだ参加者は、被告人を有罪とみなす傾向が高かったのに対し、被告人に知的障害がありかつ心理学的に悪い取調べのスクリプトを読んだ参加者は、被告人を無罪とみなす傾向が高かった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

当初の計画どおり、800名以上の一般国民を対象にインターネット調査を実施し、データを整理し、その一部を分析した。さらに、本研究結果を発表するために、来年度の学会発表の準備をした。また、昨年度、大学生・大学院生を対象に実施した調査の結果を論文としてまとめたため。

Strategy for Future Research Activity

今年度実施したインターネット調査で、分析をしていない一般的な取調べ手法に対する回答を分析する。また、本インターネット調査の内容を論文としてまとめる。また、説得技法を取り入れたスクリプト等を作成し、一般国民を対象に調査を実施する。

Causes of Carryover

インターネット調査の値段が、申請時の見積もりよりも大幅に安くなったため。

Expenditure Plan for Carryover Budget

翌年度分として請求した助成金と合わせて、翌年度の調査を実施する際に、参加者の人数を予定より増やして実施する。また、本年度実施した調査の結果について英語論文を作成し、英文校閲料に利用する予定である。

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Published: 2018-01-16  

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