2017 Fiscal Year Research-status Report
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15K17317
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Research Institution | National Research Institute of Police Science |
Principal Investigator |
和智 妙子 科学警察研究所, 犯罪行動科学部, 主任研究官 (30415442)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 取調べ / 国民の意見 / 知的障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、一般国民が取調べにおける発問方法をどのように評価するか、また被疑者の特徴によってその評価が異なるかを検討した。 本年度は、研究初年度に実施した大学生対象の予備調査を分析した結果を論文としてまとめ、公刊された。また、昨年度に実施した一般国民を対象としたインターネット調査の分析を進めた。インターネット調査票は大きく、架空の放火事件に関する取調べに関する質問と一般的な取調べ手法に関する質問の2つからなっており、昨年度は前者の回答を分析したが、その結果について学会で発表した。また、今年度は後者の一般的な取調べ手法に関する質問についても分析し、学会で発表した。 今年度の分析対象となった参加者は、調査会社を通じて参加に同意した一般国民のうち、欠損値のある者及び裁判員になる資格のない者を除いた884名である。取調べ手法に関する各項目について、どの程度その手法を行うことが重要であるかを尋ねた。また被疑者に知的障害がある場合にも、同じ項目について重要性を尋ね、その評価に両者で差があるかを検討した。その結果、グラウンドルールを形成する6項目(例えば「質問の意味がわからない時は『わからない』と言うように伝える」など)に関しては、一般的な被疑者に対してより知的障害のある被疑者に対して実施する方が重要であるとみなしていた。認知面接の手法3項目(例えば「覚えていることはすべて報告するように伝える」)については、二者間で統計的に有意な差はみられなかった。選択式質問、はい・いいえ質問に関しては、知的障害のある被疑者に利用することがより重要との結果を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の計画通り、昨年度分析していなかった一般的な取調べ手法に対する回答を分析し、学会で発表したが、一般国民を対象に実施する予定であった新たな調査を実施することができなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度分析したインターネット調査の結果を論文としてまとめ、投稿する。また、本年度実施できなかった説得技法を取り入れたスクリプト等を利用した調査を実施する。
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Causes of Carryover |
当初計画していた一般人対象の調査を実施できなかったため、次年度使用額が生じた。使用計画としては、翌年度に、本年度実施予定であった調査を実施する。また、本年度学会で発表したインターネット調査の結果について英語論文としてまとめ、英文校閲料に利用する予定である。
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Research Products
(3 results)