2018 Fiscal Year Annual Research Report
Brain networks of emotion regulations
Project/Area Number |
15K17318
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
村上 裕樹 大分大学, 福祉健康科学部, 准教授 (40600325)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 情動制御 / 脳 / マインドフルネス / メタ認知 |
Outline of Annual Research Achievements |
マインドフルネスの臨床的効果(Teasdale et al., 2000)が実証されるとともに,神経科学的手法からマインドフルネスがこのような効果をもたらすメカニズムについて検討する試みがなされている。マインドフルネスと脳構造との関連性を検討したこれまでの知見ではさまざまな領域が報告されているが,最も多く報告されているのがマインドフルネス傾向の高い人における前部島皮質の発達である。前部島皮質は内受容感覚や,情動の自覚に関する脳領域とされている(Craig, 2009; Critchley, et al., 2004)。マインドフルネス傾向の高い人では,不快な場面に直面してもあるがままに自分の情動を自覚することを表していると考えられる。 本研究では,情動刺激を見ている際の脳活動を測定し,マインドフルネス傾向の違いによって,前部島皮質の活動,並びに他の脳領域との機能的結合について検討した。 その結果,マインドフルネス傾向の高い参加者で中性刺激と比較して情動刺激を呈示された際に,右前部島皮質においてより高い活動が見られた。前部島皮質は情動の自覚に関する脳領域とされていることから(Craig, 2009; Critchley, et al., 2004),マインドフルネス傾向の高い人では,身体の情動反応における気づきが高いことを表している。また,前部島皮質と右扁桃体の機能的結合が,マインドフルネス傾向の高い人で低下していた。また,自分のパフォーマンスを正しく認知できているメタ認知能力との関連性について検討を行ったが,マインドフルネス傾向との関連性は見られなかった。 これらの研究成果を日本感情心理学会第 26回,並びにCognitive Neuroscience Society 26th Annual Meetingにて発表した。
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