2015 Fiscal Year Research-status Report
運動制御時における視覚表象と身体表象の相互作用の解明
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15K17324
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
村越 琢磨 千葉大学, 文学部, 研究員 (70624724)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 境界拡張 / 視覚運動協応 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度は,運動制御時における境界拡張現象の生起内容の特徴について検討した.視覚判断課題と運動判断課題によって,境界の拡張(または縮小)割合を測定,比較した.その結果,視覚判断課題と運動判断課題の両課題において,呈示画像の画角の大きさに伴い,知覚された境界が変化した.具体的には,画角が小さくなり画像がクローズアップになるほど,知覚された領域は,呈示された画像に比べてより広く知覚された.この傾向は両課題で同様であった. 運動判断課題においても境界拡張現象の生起が確認され,運動判断でも大きさの錯誤が生じることが示された.この結果は幾何学的錯視図形において運動判断では大きさの錯誤が生じないと報告する先行研究とは異なるものであった.また,視覚判断課題と運動判断課題において,呈示画像の画角による知覚された領域の変化は同様であり,視覚系と運動系での視覚表象形成過程に共通のメカニズムが関与していることが示唆された.ただし,運動判断課題では,視覚判断課題に比べ,知覚された領域は狭くなることが示され,運動制御時には,視覚表象の大きさなどを修正するメカニズムが存在すると推測された.さらに,刺激画像に自然画像ではなく単色の四角形を用いた場合には,知覚された領域の面積は狭くなる傾向がみられ,境界拡張現象の生起には,背景上にオブジェクトが配置された情景が重要な役割を果たすことが示唆された.このことにより,運動系についても視覚表象形成過程においてオブジェクトに関する情報が利用されていることが考えられる. 上記の研究結果により,運動制御時にも環境の物理的な大きさとは異なる大きさ知覚がなされ,その知覚内容は呈示画像の画角などの特性によって変化することが示された.このことは,運動制御に適した視覚情報の呈示方法を明らかにすることで,円滑で正確な運動制御を促すことができる可能性を示している.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実験はおおむね研究計画通りに実施され,実験結果も予想された結果が得られた.したがって,大幅な実験計画の変更や実験の追加などはなく,研究計画は順調に進展しているといえる.現在までに得られた平成27年度の研究成果について,雑誌投稿論文への投稿および投稿準備を行っている状況である. 平成28年度の実験準備についても順調に進展しており,計画通りの実験遂行を予定している.
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度は研究計画どおりの実験を実施する予定である.併せて,平成27年度の実験で得られたデータを国際学会および雑誌投稿論文にて成果報告する予定である.その後,平成28年度で実施された実験についても,国際および国内学会にて成果報告し,投稿論文としてまとめる.研究代表者が研究機関を移ったため,いくつかの実験装置については変更,追加する必要があり,実験装置の再構成を行い,採択課題の研究計画を進めることとする.
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Causes of Carryover |
購入機器の販売価格が想定価格より低かったため,次年度使用額が生じた.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度使用額については,平成28年度の物品購入費に割り当てる.
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Research Products
(6 results)