2016 Fiscal Year Research-status Report
快適な立体知覚のための個人差を考慮した感覚内・感覚間多重較正プロセスの解明
Project/Area Number |
15K17327
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
光藤 宏行 九州大学, 人間環境学研究院, 准教授 (00426644)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 視覚情報処理 |
Outline of Annual Research Achievements |
立体視実験の概略 昨年度から行ってきた実験の実施準備が整ったので、九州大学病院ブレインセンターで脳活動計測の実験を行って、データを得ている。両眼立体視実験では、参加者に3D映像を呈示し、そのときの見えを報告してもらうとともに、脳活動による電磁場の時間的変化を計測している。3D映像を参加者に観察してもらうために、脳活動計測に支障の生じない、専用の眼鏡と画像を用いる。参加者の判断を記録するために、キー押しのタイミングも記録する。得られたデータの解析については、映像呈示の開始のタイミングとキー押しのタイミングを基準として、脳活動の時間経過と比較することで、立体視に関わる神経機構を詳細に明らかにすることを目指している。 他の心理物理学実験の結果については、学術誌Perceptionに発表した(Harada & Mitsudo, 2017, Stereoscopic depth contrast in a 3D Muller-Lyer configuration: Evidence for local normalization)。この実験では、3次元的な幾何学的図形を参加者に両眼で観察してもらい、その一部である線分の見かけの傾きを報告してもらった。その結果、両眼を使って判断するときの視覚刺激の見えの傾きは、図形の全体的な3次元構造ではなく、判断する部分の周囲の3次元構造に強く影響されることを見いだした。この結果は、3次元映像の詳細を分析する人間の視覚情報処理の仕組みの一端を明らかにするものであり、より自然な見えをもたらす3次元視覚映像の表示技術の開発などに生かすことができると考えられる。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
心理物理学・脳機能測定実験のデータを順調に得ており、既に得た結果については学会や学術誌で公表しているため。
|
Strategy for Future Research Activity |
心理物理学・脳機能測定実験のデータを追加・解析し、得られた知見を学術誌や学会で報告する。
|
Causes of Carryover |
実験実施の日程調整が一部本年度中にできなかったため。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度に実験実施の日程調整を行う。
|