2017 Fiscal Year Annual Research Report
Cross- and within-sensory calibrations for stereopsis
Project/Area Number |
15K17327
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
光藤 宏行 九州大学, 人間環境学研究院, 准教授 (00426644)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 感覚情報処理 |
Outline of Annual Research Achievements |
立体知覚を調べる研究の概略 立体知覚の実験に関しては、健常成人の脳活動計測データを得て、解析を行った。実験では3D映像を提示し、一定時間の観察後に参加者に判断を求めるという課題を行った。データは脳神経活動による電磁場の変化であり、その解析によって、立体知覚の判断に関わる脳活動のタイミングと活動部位を同定した。この研究の予備的な解析結果は国内学会で発表した(光藤宏行ほか 垂直像差に対する神経活動は水平像差に基づく奥行き知覚を予測する 日本視覚学会2017年夏季大会, 2017年9月)。 これ以外の主な心理物理学研究としては、学術雑誌Perceptionに研究結果を報告した(Harada, S., & Mitsudo, H., (2018). Stereoscopic slant contrast and the perception of inducer slant at brief stimulus presentations. Perception, 47(2), 171-184)。この研究では、両眼視による錯覚現象の一つである傾き対比に着目し、映像を短時間提示する場合に傾き対比がどう変化するかを調べた。実験では傾き対比をもたらす誘導部分とテスト部分の形状を変化させた。その結果、時間によって傾き対比と誘導部分の見かけの傾きは増加するが、誘導部分の形状変化に関わらず、傾き対比は安定して生じることを明らかにした。本研究の知見は、3D映像を短時間に提示した場合には見かけの立体形状の歪みが生じることを示したという点で、3D表示装置と表示アルゴリズムについての設計開発の指針に示唆を与えるものである。
|