2018 Fiscal Year Annual Research Report
Use of spatial expansion of self-action: A study of how to prevent forgetting to do by using avatar.
Project/Area Number |
15K17330
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
杉森 絵里子 早稲田大学, 人間科学学術院, 准教授 (70709584)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 記憶 / アウトプットモニタリング / 自己主体感 / 展望的記憶 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,行為時に無意識に得られているという自己主体感(「自分こそがこの行為を行っている」感覚)が,過去・現在・未来の時間軸において,空想と現実の区別を担うことを示すことであり,その一方で,自己主体感が空想と現実の区別エラーを引き起こす要因となり得ることを示すことであった。 単語のタイピング(2015年度)やアバターの行為(2016年度)を「行った行為」として用いることで,行為の遂行時に得られるフィードバックや,そのフィードバックのタイミングが,自己主体感を得るために必要な要因となっており,これらの要因が,空想と現実(やったか否か)の区別判断に影響を及ぼすことが明らかになった。 記憶した単語のアウトプット(2017年度)を「行った/今後行う行為」として用いることで,まだ行っていないことに対して「もうやらなくていい」と教示されると,「やらなければいけない」という意図が抑制され,既に行った行為を「まだ行っていない」と判断する傾向が高まることが明らかになった。 最終年度は,過去に行ったことがある行為と,行ったことがない新規な行為を比較することで,過去に行ったことがある行為は,VR上の空想の世界でも自己主体感が得られやすく,その結果,現実世界において実験時には行っていなくとも「行った」と判断することが明らかになった。 以上から,空想と現実の区別には,自己主体感が大きくかかわっていること,自己主体感は,過去に遂行し,その行為に対する自己主体感が得られたことがある場合,未来においても自己主体感が得られると誤って判断してしまう(まだ遂行していないにもかかわらず,既に遂行したと判断する)ことが明らかになった。
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