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2015 Fiscal Year Research-status Report

素材の物理的性質との比較による動的質感知覚の解明

Research Project

Project/Area Number 15K17332
Research InstitutionBunkyo University

Principal Investigator

増田 知尋  文教大学, 人間科学部, 准教授 (60449311)

Project Period (FY) 2015-04-01 – 2017-03-31
Keywords質感知覚 / 運動知覚
Outline of Annual Research Achievements

本研究の主たる目的は、視覚的な運動から生じる多様な質感について、物理的に定義される各種の材質に関するパラメータ(物性パラメータ)と心理学実験による質感の評定値との比較から、動的な質感知覚メカニズムを解明することである。
動的な質感の知覚と関連して、正方形の主観的輪郭を生じさせる誘導図形の垂直線分を、正方形の頂点を始点として振り子運動させると、上下の振り子運動間の位相差により、主観的な面の素材が異なって知覚されることが (Masuda et al., 2013)、また、この振り子運動の減衰や速度変化が主観的な面の弾性や粘性の評定と関連している可能性が示唆されている (Masuda et al., 2015)。質感知覚と物性との関連を精査するためには、各種素材と関連する粘性や弾性等の物性パラメータを操作した運動を作成し、それを観察した際の質感の評定値との対応を検討する必要がある。
そのため、2015年度は、物性パラメータを系統的に操作した運動を実験に用いるための運動パターンの測定を行った。本年度は水平方向のバネ振り子運動に焦点を当て、バネの本数を複数段階で変化させ、バネ定数や弾性係数などの物性パラメータを操作した複数条件下での振り子運動の測定を行った。この測定値を精査することで次年度に行う心理学実験の為の準備を行った。測定の結果、振り子運動に物理教育で用いられるエアトラック滑走台を用いたことで、それぞれのバネ定数に対応する運動情報を比較的ノイズの少ない状態で得ることができ、次年度の心理物理実験に用いるための視覚パターンの準備を行うことができた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

2015年度は、バネ振り子運動について、ばね定数や弾性係数などの物理パラメータを操作した複数条件下での運動の測定を行い、この測定値を精査することで次年度に行う心理学実験の為の準備を行った。
当初の計画では2015年度はバネ振り子以外にも、粘度や塑性と関連すると思われる運動についても実際の対象の運動について測定を行い、それらの運動成分から物性の違いによる光学的パラメータの定式化を試みる予定であったが、実験で用いることが可能なバネ振り子運動の条件の決定に時間がかかったことと、申請者の異動に伴い実験環境のセットアップに時間を要したため、今年度はバネ振り子以外の種類の運動の測定及び、測定したばね振り子運動の光学的パラメータの検討には至らなかった。これらの実現のため、現在も引き続き運動の撮影および動作解析の準備を行っている。一方で、バネ振り子運動に関しては測定した運動にノイズが非常に少なく、定式化が比較的容易であると考えられるため、2015年度の計画は想定よりもやや遅れたものの、次年度予定している心理物理実験への適用は計画よりもスムーズに行うことが可能であると考えられる。

Strategy for Future Research Activity

2016年度は、バネ振り子以外の運動の測定と、並行してバネ振り子運動に関する質感評定に関する心理物理実験を行い、質感に関する評定値と物性パラメータとの対応を検証する。バネ振り子に関しては心理物理実験における実験参加者の判断に測定に用いたものと同様の物性パラメータを持つバネに触れた感覚を基準として判断させることで、視覚による質感判断と物理量あるいは物性パラメータとの対応について検討する予定である。
測定した運動データのノイズが想定よりも少なかったため、心理物理実験の提示パターン作成は当初の予定よりも迅速に作成可能であることが期待でき、当初の計画に沿って、運動データを組み込んだ実験パターンを用いた心理物理的実験の実施により、動的な質感知覚に関する検討を試みることを予定している。

Causes of Carryover

次年度使用額が生じた理由として、申請者の異動に伴い当初の計画よりも研究活動の進行が遅れたこと、また初年度であり研究成果が学会発表の水準に達しなかったことから、学会発表の為の出張に関する旅費が計画よりも少なかったことがあげられる。併せて、各種素材の物性試験や実験用プログラムの外部受注を行わなかったことが挙げられる。

Expenditure Plan for Carryover Budget

生じた次年度使用額の金額の使用計画として、2015年度に実施しなかった、測定した動作パターンデータの解析及び実験用プログラム作成の為の外部受注をすることを計画している。

  • Research Products

    (6 results)

All 2016 2015

All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 2 results) Presentation (4 results)

  • [Journal Article] 日本のアニメーション作品中に見られるベクションシーンのデータベースの作成と、心理実験による評価2016

    • Author(s)
      徳永康祐、小川将樹、池畑諭、増田知尋、妹尾武治
    • Journal Title

      日本バーチャルリアリティ学会論文誌

      Volume: 21 Pages: 印刷中

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] Eleven-month-old infants infer differences in the hardness of object surfaces from observation of penetration events2015

    • Author(s)
      Tomoko Imura, Tomohiro Masuda, Nobu Shirai, Yuji Wada
    • Journal Title

      Frontiers in Psychology

      Volume: 6 Pages: 1005

    • DOI

      10.3389/fpsyg.2015.01005

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] 奥行反転模型におけるlightness知覚2015

    • Author(s)
      新井哲也・五十嵐由夏・大森馨子・相澤裕紀・増田知尋・谷口 清
    • Organizer
      日本基礎心理学会第34回大会
    • Place of Presentation
      大阪樟蔭女子大学(大阪府)
    • Year and Date
      2015-11-28 – 2015-11-29
  • [Presentation] 映画、アニメ中のベクションシーンを心理実験で検討する。その22015

    • Author(s)
      徳永康祐・小川将樹・池畑 諭・増田知尋・妹尾武治
    • Organizer
      日本バーチャルリアリティ学会 VR心理学研究委員会 ヒューマンインフォメーション研究会(HI)
    • Place of Presentation
      鹿児島大学(鹿児島県)
    • Year and Date
      2015-11-13 – 2015-11-14
  • [Presentation] 熟練者による青果損傷の評価と画像分析による再現2015

    • Author(s)
      松原和也・増田知尋・北澤裕明・和田有史
    • Organizer
      日本官能評価学会2015年度大会
    • Place of Presentation
      日本獣医生命科学大学(東京都)
    • Year and Date
      2015-11-07
  • [Presentation] 魚眼画像の鮮度判断に画像統計量が及ぼす影響2015

    • Author(s)
      増田知尋・松原和也・森 数馬・和田有史
    • Organizer
      日本心理学会第79回大会
    • Place of Presentation
      名古屋国際会議場(愛知県)
    • Year and Date
      2015-09-22 – 2015-09-24

URL: 

Published: 2017-01-06  

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