2016 Fiscal Year Research-status Report
旧ソ連中央アジアにおける理論と実践を通した域内連携と比較社会教育学の構築
Project/Area Number |
15K17344
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
河野 明日香 名古屋大学, 教育発達科学研究科, 准教授 (10534026)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 成人教育 / 生涯学習 / 中央アジア |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度は、中央アジア・ウズベキスタンにおいて調査を実施した。具体的には、7月にウズベキスタンを訪問し、DVVタシュケント事務所、タシュケント国立ウズベク語・ウズベク文学大学、タシュケント国立法科大学、名古屋大学タシュケント事務所を訪れた。DVVタシュケント事務所では、現在のウズベキスタンにおける成人教育政策や法整備の現状、DVVタシュケント事務所の現在の事業についての資料収集および情報収集を行った。タシュケント国立ウズベク語・ウズベク文学大学では、ウズベキスタンにおける成人教育や生涯学習、地域社会での教育、Social Pedagogyの研究について意見交換を行った。タシュケント国立法科大学および名古屋大学タシュケント事務所では、法整備支援の様子を伺うとともに、ウズベキスタンの地域社会を研究している研究者らと意見交換を実施した。 本年度は、中央アジア・ウズベキスタンでの調査をもとに、ウズベキスタンにおける成人教育や生涯学習、Social Pedagogyの理論、実践の双方から、中央アジアの現状を探ることを目指した。成人教育の実践の場では、特に前出のDVVの活動が幅広く展開されており、その活動は教育の領域のみではなく福祉の領域までも広がりつつある。さらなる分析、考察が必要であるが、このDVVの活動の根底には、ドイツで議論されているSocial Pedagogyの理論が存在するのかどうかについて今後検討していきたいと考えている。ウズベキスタンにおける実践の場でも教育と福祉を連結していくような実践の展開が始められていることは非常に重要な点であり、最終年度はこの教育と福祉の点を踏まえながら、比較社会教育学の構築について探求していきたい。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
中央アジアでの現地調査を実施し、理論と実践の双方からの資料収集や情報収集を行っているため。また、欧州、日本、中央アジアの成人教育や生涯学習、Social Pedagogyなどについての資料収集も進んでいるため。
|
Strategy for Future Research Activity |
中央アジアや欧州での調査を継続するとともに、現地での研究成果発表も行う。次年度は最終年度にあたるため、本科研全体の総括を行うとともに、研究成果を論文や報告書、学会発表などの形で公開したいと考えている。
|
Causes of Carryover |
欧州での調査を調査先の都合により次年度実施することにしたため。また、研究成果公開のための準備(論文の英文化にともなうネイティブチェックなど)を次年度に行うこととしたため。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
調査旅費や通訳謝金、現地調査コーディネート謝金などとして使用するとともに、研究成果公開を行うための経費として使用する予定である(論文の英文化にともなう費用などに使用する)。
|